「幻想水滸伝5」の感想その8(最終回)

因数分解 2023/11/18(Sat)

あらすじ

幻想水滸伝5の感想その8(最終回)

ゲームが終わったため、幻想水滸伝シリーズの最高傑作・幻想水滸伝2に何を付け足せば、あるいはどこをどのように変更すれば幻想水滸伝5のようになるかを書こうと思う。

人形劇を見せる

ことあるごとに人形劇を見せる。どうでもよいことを話している様子を長々と見せる。人形劇は人形劇でもミューズ市の丘上会議のような意味のある人形劇ではなく、幻水2の料理対決のときに見せられる調理シーンのような意味がない人形劇を何度も見せられる(会話がないわけではないが、会話の内容がどうでもよい世間話や雑談のような意味がないものになっている)。幻想水滸伝は3以降、人形劇を見るスポットに主人公を移動させて人形劇を見るゲームになっていると思う。もし幻想水滸伝を3からプレイした方ならゲームとは人形劇を見るものだという認識になっていると思うため、違和感は少ないと思う。そして人形劇が少ないような気がする幻想水滸伝4は思っていたものと違っていたという結論になるのではないかと思う(実際のところどうなのかは私には分からないが)。

崖から飛び下りたときに流れる回想を9時間流す

ゲームの最初の9時間に主人公、ジョウイ、ナナミの子供時代~本来のゲーム開始時の峠の駐屯キャンプまでのストーリーを入れる。この9時間はHP、武器レベル、装備品、道具、紋章など何も気にしなくても話が進む。買い物や宿屋の利用の必要がなく、まだ誰かを仲間にするようなフェイズではないため誰も仲間にならない。ただゲームを進めるために、人形劇を見るためのスポットに主人公を移動させているだけであり、もし周回プレイの仕組みを取り入れるならこの9時間は飛ばせるようにしてほしかったと思う。必要なのはムービーのスキップではなく、このゲームは本当に幻想水滸伝なのだろうかと疑問に思うような最初の9時間のスキップあるいは短縮である。

敵モンスターのHPを高めに設定する

ゲーム中盤から終盤はHP1,000~4,000くらいのモンスターが出てくるため、おまかせコマンドでは戦闘が進みにくく、烈火の紋章レベル4が大活躍する。終盤の味方キャラは通常攻撃1回につき300くらいのダメージを敵に与えるため、HP3,000のモンスター2体を倒すなら通常攻撃を20回行う必要がある。つまり6人パーティなら敵を倒すのに4ターンかかる。戦闘前には敵出現時のエフェクト、戦闘後にはロード画面が挟み込まれるため、そういう意味でも戦闘には時間がかかる。

防具屋、道具屋を利用しない

仲間になるキャラは皆、武器レベル1で仲間になるため、そのままでは攻撃力が低く、戦闘の役に立たないため最優先で鍛冶屋にお金をつぎ込む必要があり、防具屋や道具屋に回すお金がない。防具は宝箱かモンスタードロップで入手する。紋章は紋章屋で販売されているが、お金がないため宝箱やモンスタードロップ、仲間が最初から宿している紋章の流用、4つ集めれば封印球に戻せる欠片の復元が私の主な封印球の入手方法である。ゲーム序盤~中盤は宝箱やモンスタードロップで入手する回復アイテムだけでゲームを進められる。私が初めて道具屋で回復アイテムを購入したのはセラス湖の遺跡の右半分の仕掛けを解き終わったときである。右半分の仕掛けを解き終わったところで過去に宝箱やモンスタードロップで入手した手持ちの回復アイテムが尽き、もうこれ以上進むのは無理だと思ったため外に出て武器レベルを上げ、回復アイテムを購入した。ここに来るまで鍛冶屋もあまり利用しておらず、主人公とリオン以外は全員武器レベル1だった。要は紋章屋や鍛冶屋も防具屋、道具屋ほどではないにしても利用しない。特に町の紋章屋はジーンが仲間になってからはたぶん一度も利用していない。

前述のとおり戦闘では烈火の紋章をよく使うが、回復には流水の紋章をよく使う。特効薬の回復量は幻水1・2では500だったが、幻水5では200に減らされており、幻水2の魔力吸いの紋章はレベル1のMPしか回復できなかったが、幻水5の魔吸の紋章はレベルが何でもMPを回復できるため、私は幻水5の中盤以降はよく流水の紋章でHPを回復していた。幻水5は魔吸の紋章でMPを回復できるため気軽に紋章を使えるようになっている。要は道具屋で回復アイテムを買わずに済む。

町が広すぎる(宿屋を利用しない)

幻水5は町が広い。また、町が3Dのため通れる道とそうでない道の区別をつけにくい。通れる道が隠れていることもある。中に入れないダミーの建物も少なくない。しかし、そんな建物にも出入り口のドアはついていることがあるため紛らわしい。町の中の奥のほうまで進んでいると町から外に出るための移動に時間がかかるため、町の中でもすりぬけの札や瞬きの手鏡を使えるようにしてほしかったと思う。セーブしたくても宿屋が見つからないことがあるが、町の中にセーブの封印球が設置されているためセーブに関しては困ることは少ない。幻水5はダンジョンの中にもよくセーブの封印球が設置されており、セーブに関しては親切になっている印象がある。また、幻水5は魔吸の紋章でMPを回復できるためMP回復のために必ず宿屋を利用しないといけないわけではない。今思えばソルファレナは町の部分がかなり広かったと思うが、何のためにあんなに広くしたのだろうか?

国内の地理がよく分からない

幻水5のフィールドは「真ん中に大きな湖があり、その湖を囲むように町が配置されている」わけではなく、フィールド上に細い川が四方八方に張り巡らされており、行き先を告げるとその細い川を自動的に進む船で各町に移動するケースが多く、常に自分でフィールド上を歩いて次の町に移動するわけではない。ソルファレナの東にレインウォールがあり、その南東にエストライズがあり、エストライズは海に接しており、そこから海外に行けること、セーブルの町にはアーメス新王国につながる関所のようなものがあるためファレナ女王国の端のほうにある町であること、フェイタス竜馬騎兵団の町は船の移動を見ていると南のほうにあることは何となく分かるが、他の拠点のことは、たとえば本拠地がファレナ女王国のどの辺りにあるかさえ私には分からない。ストームフィストの東にある橋を渡った先にソルファレナがあるなんてゲーム終盤まで思いもよらなかった。

キャラが仲間になってくれない

仲間になりそうなキャラを見つけて話しかけてもほとんど断られて仲間にならない。お店が火事で焼けた防具屋すら仲間にならなかった。それ以前に町が広くてたぶん人間を探すのに向いていないと思うし、人が小さくて人と置物の区別が付かないこともあるくらいで、仲間になるキャラとそうでないキャラを外見からはたぶん見分けづらいし、人が細いため話しかけにくい。ちなみに108星の石板が登場したのは私がゲームを始めて約35時間後だったが、その約10時間後にはストーリー上もう誰も仲間にできないフェイズに突入する。積極的に仲間を集めていこうという感じのゲームではないと思うし、相手のほうも仲間になることに消極的である。

おおむね町が好意的

長々と1つ町に留まってどうこうしたり、「話をすることや戦闘・戦争イベント」以外で何度も関わったりするような感じではない。関わり方が話をするだけだったり、1回行って話をつけてきたら終わるようなケースが多い。主人公が回る町のリーダーはおおむね主人公に好意的である。主人公を悪く言う人間は少ない。元は自由に入れて慣れ親しんだ町に何度も関わって解放するようなことは少ない。たとえば幻水2のミューズ市は最初は自由に入れる。次に木彫りの何か(何かは忘れた)をミューズ市に買いに行く。次にミューズ市に用があるときはまず町に入れない。入れたと思ったら敵の駐屯キャンプに偵察に行かされたり、ジョウストンの丘で会議を見たり、戦争イベントがあったりした後、最終的には町から逃げ出す。その後はミューズ市から難民が出てきているため偵察に行ってみると町に1匹の青白い煙のような双頭の大きなオオカミがいたり、ルカを倒した後にミューズ市に講和の話をしに行ったり、再び戦争イベントがあったり、戦争イベント後にミューズに入ってみると今度は町に黄色いオオカミがいたり、その後も他の町でいろいろあった後にやっとミューズ市を取り戻しており、1つの町を取り戻すまでに何度も、しかも「話をするだけだったり、戦闘・戦争イベントがあったりするだけ」ではない形で関わっている。ミューズ市など解放後も掘り出し物の怒りの紋章が目当てできっと何度か通うと思う。

エストライズ領主のボズ卿がハウド村にいた主人公のもとに駆けつける。
町には群島諸国連合の提督に会いに行くために立ち寄るだけで終わる。
ゲーム後半に回転橋を渡るためにもう一度利用するのかと思っていたら
回転橋など利用せずにゲームが終わってしまった。
レインウォール王都から逃げてきた主人公を受け入れる。
ラフトフリート1回目は話しかけて泥棒を引き渡した。
2回目も話をするだけで終わる。
3回目は話しかけた後、戦争イベントになって仲間になる。
ロードレイク何度も町に行っているが、やることは「病院とロヴェレ邸を見て、
短いダンジョン探索もあった1回目」以外は話をするだけである。
レルカー話をして戦闘・戦争イベント後に仲間になる。
1回行って終わり。
セーブル以前から主人公のもとにダイン殿を派遣していた。
取ってつけたような山賊退治のイベントがある。
1回行って終わり。
ビーバーロッジ以前、本拠地入手イベントを進める際に立ち寄って話をした。
2回目は敵に襲われており、中立をやめて仲間になる。
群島諸国連合の提督取ってつけたような灯台占拠者の退治イベントがある。
1回行って終わり。
ドラート戦争・戦闘イベントがある。
1回行って終わり。
ケイヴドワーフ以前、アゲイド監獄のイベントを進める際に立ち寄って話をした。
2回目は敵に襲われており、中立をやめて仲間になる。
フェイタス竜馬騎兵団以前1回行って話をした。
2回目は幻水1の竜洞騎士団に似たような感じのイベントがあるが、
幻水1のときよりもイベントの内容が薄いような気がする
(ただ洞窟に入って奥にいた人たちと戦って終わり)。
ストームフィストゲーム序盤に行った。
訪問2回目は戦争・戦闘イベントがある。
ソルファレナゲーム序盤にいた。結構長くいたため、
太陽宮で流れている音楽を聞くと
昔のことを思い出して懐かしいような気分になる。
ああ帰ってきたんだと思う。
訪問2回目は戦争・戦闘イベントがある。

幻水2のトラン共和国グレッグミンスターも1回行って終わりの部類に入ると思うが、そこには幻水1の思い出があるため、幻水5の1回行って終わりとはわけが違う。幻水2のティント市で言うならティント市に行くために峠道を通る必要がなく、ティント市まで徒歩で簡単に行けて、初めてティント市に入った時点で、もうすでにティント市がゾンビに占領されていて、そこでゾンビと戦って勝てばもうティント市が味方に付くようなお手軽さが幻水5にはある(ネクロードとは戦わない)。

指示が不適切

指示があいまいだったり、必要なときに必要な情報を出さなかったりする。その結果、目的を達成するのに時間がかかる。終盤の西の林など何をどうすれば良いかがまったく分からず、細道のほうを通ってその先にある小屋を調べたりして中をぐるぐる移動するばかりだった。外に出ようとしても出入り口のところで通せんぼされていて外にも出られない。深き薄明の森は出入り口のところからドワーフキャンプに戻るためのトロッコの洞窟のところに戻る道が中々分からず戻るのに時間がかかる。セーブルの乱稜山はツタを登れることを教えないし、ストームフィストの戦争イベント後にストームフィストに入ったときにはあの広いストームフィストの中のどこを目指して進めばよいかを教えない。

ゲームクリア直前に7時間使って仲間を鍛える

私は約45時間でゲームクリア直前のところまで進んだが、ゲームクリアにかかった時間は約52時間であり、ゲームクリア直前に約7時間の無駄な時間が発生している。この7時間で私が主に何をしていたかというと、最終ダンジョンは3パーティ合計18人で進んでいくため、その18人分のレベル、武器レベルを上げ、各パーティに1人ずつ魔吸の紋章付きの回復役を用意するためにモンスターが落とす「魔吸の欠片」を集めていたのである。

幻水5は108人の仲間全員を集めることにこだわらず、さっさとメインストーリーだけを進めていけば途中でいろいろ迷いながらも約52時間でゲームが終わるが、そのうち序盤の9時間と終盤の7時間はないほうが良かったと思う。そうすればこのゲームは36時間で終わる。そこに特に面白くもない16時間を足す必要はないと思う。残る36時間の中にも船で川を移動するときにかかる時間(のちにL2ボタンで省略できることが判明。しかし、これを省略すると各町の位置をつかむ手立てがなくなってしまう)、指示が不適切で町やダンジョン、フィールド上を特に意味もなくさまよう時間、戦闘の前後や建物に出入りする際に入るロードの時間などが含まれている。

その他

  • コントローラが振動する。
  • 攻撃時や戦争イベント時に掛け声が付く。
  • スキルがある(同行者として紋章屋、鍛冶屋などを連れていける)。
  • 陣形が複数ある。
  • 道具屋、防具屋がお店の中のカウンターの前におらず、カウンターがあるお店の外に突っ立っていることがある。

もし幻想水滸伝3や幻想水滸伝ティアクライスが良作なら幻想水滸伝5もたぶん良作だと思う。きっと良作の中にもランクがあり、良作の中でも上のほうの良作が幻想水滸伝2、平均的あるいは下のほうの良作が幻想水滸伝5なのだと思う。

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