「幻想水滸伝5」の感想その3

2021年2月にPS2用ソフトの「幻想水滸伝5」（2006年2月23日発売）を購入したが、ゲームの途中でもうプレイが嫌になったためゲームソフト自体を捨てた。その後2023年にゲームを再購入し、もう一度最初からゲームを始め、前回幻想水滸伝5の感想その2を書いた。今回はその続きである。

聖地ルナスで捕らえられた泥棒親子をラフトフリートの頭領に引き渡した後、パーティーメンバーのリオンに話しかけると、またまた「ラフトフリートを見回ってみましょう」的なことを言われるが、見回っても何も起きない。何かが起きないと先に進めないため、またここで何時間も無駄にしている。ラフトフリートは町の構造が分かりにくい。入口から頭領の船のところに行くまでが迷路のようになっており、距離が長くて往復するのが面倒だし、私は最初は頭領の船に行くための案内看板をタコかイカの絵のようにしか思っていなかったため、頭領の船まで行くことがまず難しかった。看板の案内のとおりに進めば頭領の船に行けるとラフトフリートに入った際の会話の中に盛り込むべきだと思う。このゲームはゲームを進めるために必要な情報を会話に出さずに、いつもどうでもよい会話ばかりしている。そして散々迷って時間をかけて頭領に会った後、リオンに話しかけてみると今度はラフトフリートを見回ってみましょうと言われるが、何時間見回っても何も起きないのである。

何も起きないため、もういっそのこと外に出てみてソルファレナに戻ってみると、なんとリオンの返事が変わっており「帰りましょうか」などと言うのである。どうしてそれをラフトフリートで言わず、帰ってきた今言うのだろうか？ 帰りましょうというのは行き先で言うべきことであって帰ってきた今言うことではない。ところでソルファレナに戻ってきてまず驚くのが、ソルファレナに入ると私がソルファレナを出るために渡った長い橋とは違う場所がソルファレナに入った際の初期位置になっていることである。こんなところからも町に出入りできたことを初めて知って驚くと同時に、そんなことができるならもっと早く教えてほしかったと思うのである。なぜなら太陽宮から町のほうにあるソルファレナを出るための橋のところに行くためには複雑な構造の町を回って橋を探さねばならず、時間がかかるためである。太陽宮から離れて町のほうに行ってしまうと迷子になって太陽宮には戻りにくくなる。一方、ソルファレナに入ったときの初期位置から太陽宮に戻るのは、距離はあるものの一本道であるという意味ではたやすい。

ソルファレナに入る前の話に戻るが、ソルファレナを初めて外から見ることで、これまではよく分からなかった町の構造が何となく分かるようになっている。これはストームフィストに関してもそうだが、まずフィールド上で町の全体像を把握させることをしておらず、ただ町の中をうろうろさせているだけでは町の構造は分かりにくい。このゲームはソルファレナとストームフィストのみ主人公の現在位置表示付きの地図を付けてボタンを押せばいつでもその地図を見られるようにすべきだったと思う。たとえばドラクエ8には町の地図がある。

その後もゲームを進めると、幻想水滸伝2に登場したキリィっぽい人物が出てくる。彼がキリィなのかどうかは不明だが、もしキリィならゲオルグと違って一目でキリィであることが分かる。そしてゴドウィンに太陽宮を攻められ、主人公らの残りHPが気になりだし、ここで初めておくすりでHPを回復させた。ここに来るまで残り体力や武器レベル、装備品など一切気にせずとも話を進められるが（私は装備品だけは手持ちの中で一番良いものを装備させるようにしていたが）、ここにきて主人公らのHPは110～140くらいなのにゴドウィン兵が30～40くらいのダメージを主人公らに与えてくるため初めてHPを回復させる必要が出てくる。強いゲオルグがいなくなって困るというよりは受けるダメージ量が多くて困る。ゴドウィンに攻められているところで初めて幻想水滸伝っぽさを感じた。幻想水滸伝1や2はもっと早い段階から幻想水滸伝だったと思いますが、幻想水滸伝5はここに来るまでの約9時間がこのゲームは本当に幻想水滸伝なのだろうかと疑問に思うようなゲームだったと思います。

その後はソルファレナから逃げ出すが、こういうところも幻想水滸伝っぽいと思う。幻想水滸伝はゲーム序盤は追われたり攻められたりして逃げるゲームである。さらに話が進み、今回は1回目の戦争イベント前の時点でプレイ時間が10時間27分だった。前回はここに来るまでに約14時間かかっているため約4時間短縮されている。ラフトフリートを味方につけに行くところまで話が進み、外に出てみたが、今度はラフトフリートがどこにあるかが分からない。ラフトフリートという町は船の集合体という設定のため、川を通ってあちこちに移動できる町であり、ソルファレナの異変を察知した彼らは元いた場所から町ごと逃げ出している。この町ごと逃げ出しているという情報は私がこのゲームを再プレイしているため知っている情報であり、初見の方はそんなことはたぶん知らないはずである。そのためラフトフリートを味方につけようとするならふつうはソルファレナのほうに戻ろうとするはずだが、たぶん戻れないようになっていると思うし、もし戻れたとしても、そこにはもうラフトフリートの町は存在しない。このゲームはゲームを進めるために必要な情報を教えてくれないためどうしようもない。