試験概要

試験概要・受験申請書(戻る

土地家屋調査士試験は、筆記試験(午前の部、午後の部)と口述試験の2つに分けられます。ただし、口述試験を受けられるのは筆記試験の合格者のみです。

日程(2018年度試験の例)
7月初旬〜受験申請書を配布
7月末頃〜受験申請書を提出
10月下旬筆記試験(午前の部、午後の部)
11月下旬択一式の基準点を発表
(同日、筆記試験の問題を公開)
1月初旬筆記試験の合格者を発表
(同日、記述式の基準点を発表)
1月下旬口述試験(木曜日)
2月中旬最終合格者発表

詳しくは法務省の受験案内を参照のこと。受験会場は札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、高松、広島、福岡、那覇の9か所です。合格率は例年9%弱です。

受験申請書を受け付けるのは12日間

土地家屋調査士試験は、受験申請書の受付期間がとても短いです。7月の終わり頃の月曜日から8月初旬の金曜日までの12日間しかありません。

受験申請書を法務局に持参する場合の注意点

受験申請書を法務局(地方法務局を除く。以下同じ)に持参する場合は、その法務局の中で直接受験票に受験番号のハンコを押されて、そのまま受験票が直接受験生に返却されます。そのため、この場合は受験票の裏面に切手を貼ったり、住所を書いたりする必要がありません。

受験申請書を郵送する場合の注意点

書留は「かきめ」と読みます。「かきめ」ではないです。

筆記試験(午前の部)(戻る

免除について

午前の部は「測量士、測量士補、一級建築士、二級建築士」のうち、どれか1つ以上の資格を持っていると申請により免除されます。この中では測量士補が一番簡単かつ午前の部よりも易しいため、午前の部は測量士補試験に合格して免除を受けるのが一般的です。

土地家屋調査士試験の講座を開いている資格の学校各社も測量士補試験に合格して免除を受けることを勧めており、書店に行っても午前の部専用のテキストや過去問は売られていません。つまり、まともに学習するすべがありません。

午前の部に関する書籍等を購入すれば勉強することはできますが、いずれも困難な道だと思います。欲しくても入手できなかったり、ネット上にいる貧しい人たちがその道を選ぶとは思えないという壁があります。

取得済みの資格

「日本土地家屋調査士会連合会」が実施した平成26年(2014年)度 土地家屋調査士試験の受験者向けアンケート調査によると、回答数192名中128名(66.66%)は測量士補の資格を持っていたそうです。

取得済の資格
測量士4925.52%
測量士補12866.66%
一級建築士84.16%
二級建築士105.20%
司法書士94.68%
行政書士199.89%
不動産鑑定士00%
宅地建物取引主任者6332.81%
その他2613.54%
なし00%
未回答31.56%

土地家屋調査士試験の受験生約4,500名中、午前の部を受けているのは130〜150人くらいです。ほとんどの受験生は何らかの方法で午前の部の免除を受けています。

筆記試験(午後の部)(戻る

試験概要

択一式50点、記述式50点の合計100点満点です。

択一式は全20問出題されます。民法3問、不動産登記法16問、土地家屋調査士法1問です(1問2.5点です)。記述式は土地の問題と建物の問題が1問ずつ出題されます(小問が複数あり、内容は計算、論述、申請書、作図の4つです)。

具体的には次のような流れになります。非常にタイトな試験です。試験時間は2時間30分(150分)です。

  • 択一式(?分)
  • 土地・座標値の計算(?分)
  • 土地・論述(?分)
  • 土地・地積の計算(?分)
  • 土地・申請書の作成(?分)
  • 土地・地積測量図の作成(?分)
  • 土地・辺長の計算(?分)
  • 建物・論述(?分)
  • 建物・申請書の作成(?分)
  • 建物・各階平面図の作成(?分)
  • 建物・床面積の計算(?分)
  • 建物・建物図面の作成(?分)
  • 見直し(?分)

択一式

問題文を半分しか読まずに9割以上取れという試験です。

他の法律関係の資格試験(たとえば社労士試験や宅建試験等)と同じような感覚で問題を解いていると、土地家屋調査士試験の択一式はそれを全部解くのに1時間弱はかかりますが、土地家屋調査士試験は、後に控える記述式の問題を解くためにもさらに膨大な時間がかかるため、択一式の問題は25分くらいで全問解けるようにしておかなければなりません。

もしあなたが社労士試験の合格者なら、社労士試験の択一式の問題数(70問)が制限時間はそのままで約160〜200問になったのと同じくらいのスピードで問題を解かないといけないと考えてください。試験時間が足りないため、各問につき5肢中2、3肢は問題文を読まずに解くという人もいるくらいです。

しかし、そのような危なげな解き方をする一方で、択一式よりも記述式のほうが高得点は難しいため、合格に必要な択一式の得点率はかなり高く、記述式が合格基準点(≒合格最低点)でも合格できる「得点率9割以上」が択一式の合格安全圏とされています(例年、択一式で8割〜満点を取った人の約半分〜4分の3は記述式のほうで点が取れなくて試験に落ちています。択一式で9割以上の点数を取った上で、記述式のほうでもしっかり得点しないと合格はできません)。

択一式の試験対策としては、仮に約30年分の分厚い過去問題集を本試験に持ち込んで、時間無制限で問題を解いたとしても得点率は6、7割台がやっとなので、9割取るためには別途、ほかの物での補強が必要です。加えて短時間で問題を解けるかどうか、それ以前に過去問や六法等の内容を試験に持ち込めているのと同じくらいの精度で身につけられているかどうかですね。

記述式

土地と建物の各問につき、5〜9ページくらいの問題文を読み解き、論述式の問題に解答し、登記申請書とそれに添付する図面を作成します。土地の図面には位置が未判明の頂点が複数あるため、三角関数や直線の方程式、内分点の計算等(高校2年生で習う数学が主)を使って、そのX・Y座標を求めます。

記述式はすでに答えを知っていたり、答案用紙の横に模範解答を置いて、それを書き写したりしているのと同じくらいの実力がないと、最後まで解き切り、かつ確実に高得点を取ることが困難な試験です。


計算

例年2、3問出題。中高の定期試験で言うところの図形問題に当たります。何かに気がついたり、何かとっぴなことを思いついたりしないと解けません。しかし、考える時間はないため、問題を見て瞬時に解き方を思いつかなければなりません。測量士補試験と違って電卓を持ち込めます。関数電卓を使います。

近年は勉強してもしていなくても、どちらにしても解けない問題から、勉強すれば解ける問題に戻ってきています。数学が苦手だという人にとってはかなりラッキーな情勢です。

論述

出題された事例をふまえた上で、不動産登記法や民法に関わる問題に対して、その結果と理由を答えます。知識を事例に当てはめて、きちんと回答する能力が必要です(助け舟のない口述試験のようなもの)。知識があやふやな人にとっては択一式で出題されれば分かるけれど文章では書けないという、読めるけれど書けない漢字のような難しさがあります。

申請書

出題された事例をふまえた上で登記申請書を作成します。申請書は記述式の勉強の中では書けるようになるまでに一番時間がかかるところですが、私は受験生は申請書が書けるかどうかでは誰も争っていないと思います。申請書は書けて当然です。大事なのは何の申請書を書くかを判断することです。

作図

地積測量図、建物図面、各階平面図の3種類です。まれに土地所在図を付け足すこともあります。三角定規を使って、目には見えない0.1ミリ単位を気にしながら4、5個くらいの図面を引き(市販の三角定規には1ミリ単位の目盛りしか入っていないため、0.1ミリ単位の数字については感覚で書き分ける必要があります)、辺長や地積、床面積の計算をします。関数電卓の複素数モードを使います。


なお記述式はすべて黒インクのペンで解答します。時間がないため下書きはできません。とりわけ図面に関しては、鉛筆書きの線の上をボールペンでなぞるとインクが乗りにくいため、下書きには向いていないと思います。

なお建物のほうが小問が少ないのは、建物には座標値の計算問題がないためです。一方、土地は座標値の計算ができないと申請書を完成させることができなくなり、図面にその座標値が関わる辺長も記載できず、作図も正攻法では行えなくなります(ただし、近年[いつ?]は計算2問目以降を求められなくても図面は書けるような問題が出ています)。

なお記述式の模範解答や配点、採点基準等は公開されておらず不明です。採点結果は0.5点刻みで出ます。

口述試験(戻る

試験範囲は不動産登記法と土地家屋調査士法です。たとえ不合格になったとしても、それが1度目なら翌年度の筆記試験(午前の部、午後の部の両方とも)が免除され、もう一度、口述試験だけを受けられます。2回連続で口述試験に落ちると、その後は筆記試験の午前の部だけが免除されます。