【土地家屋調査士試験】
日建学院の択一式8年分の
過去問題集の感想

2021年3月に日建学院の土地家屋調査士 令和3年度版 択一式過去問題集を購入した。2週間かけて不動産登記法の分野別7年分の問題のみを2回解いたのでその感想を書こうと思う。本書は2021年2月25日初版発行とされており、たぶん毎年大体そういう時期に新年度版が出るのだと思います。

分野別7年分の過去問であること

日建学院の択一式過去問題集は最新1年分を除いた7年分の過去問を分野別に収録しており、最新1年分の過去問のみ巻末に本試験形式で収録しています。30年分以上の過去問を収録している東京法経学院の分野別の過去問題集と比べると短期間で一冊の問題を一気に解き切ることができるという利点があります。勉強に使う時間は人それぞれだと思いますが、私は本書の不動産登記法の分野別7年分の問題を1週間で1回解いています。東京法経学院のものは同じく不動産登記法の問題に限定しても全部解こうと思えば1か月以上はかかると思います。

短期間で問題を解き切る利点として自分の苦手な分野が分かるというのがあると思います。問題を解いているとなぜか急に問題文が読み取りにくくなってくることがあり、しかも2周すると2周目も同じところでそうなるというのは、たぶん自分がその分野の問題を解くことを苦手としているからだと思います。

もしこれが収録問題数が多い過去問題集だと1冊の問題を解ききるのに時間がかかると思うので、毎回同じところで行き詰まっていること(なお「行き詰まる」の「詰まる」は文科省が活用語尾以外の部分について送り仮名を省くことができるとしている漢字に当てはまるためかどうかは分かりませんが「詰る」と書くこともできます。辞書などを見ても「詰(ま)る」と送り仮名の一部にかっこが付いていますね)に気がつきにくいと思います。

最新1年分のみ巻末に本試験形式で収録されていること

本書は最新1年分の過去問のみ巻末に本試験形式で収録しています。そのため、分野別に収録された7年分の過去問を解いた後で実力試しの模試のつもりで最新1年分の過去問を本試験形式で解くことができます。本書は過去問題集でありながら、さながら的中率100%の模試も内臓しているのです。そういう使い方ができるという意味では本書は初学者向けの本とも言えます。

過去問が7年分で足りるかどうかも分かると思います。5ちゃんねるの土地家屋調査士試験の掲示板を見ると、過去問は10年分で十分派と過去問は30~50年分以上は必要派の二手に分かれると思います。本書で実力試し前に解いているのは7年分の過去問なので10年分にはあと3年分足りませんが、最新1年分の出来により、あと3年分解いたら十分になりそうかどうかは何となく予想がつくと思います。

要は初学者が勉強の指針を立てる(過去問は10年分で良いのか、それとも30年分以上いるのかを決める)ときの判断材料に使えるのが本書です。もちろん本書の8年分で足りると思うのであればそれ以上の過去問の積み増しはやめてもOKです。そういう方もいます。

10年分で十分派の方に向けた話

10年分で十分派の方があと2年分の過去問を補充するためには東京法経学院の年度別過去問題集を解く必要があります。この東京法経学院の過去問題集は年度別に収録されているため、引き続き実力試しを兼ねながら的中率100%の模試に1年分ずつ手を広げていくことができます。この東京法経学院の年度別過去問題集には記述式の過去問も収録されており、もし記述式の過去問題集も日建学院の8年分のものを選んでいるなら記述式の勉強をするときにも使えます。

15年分で十分派の方に向けた話

上記東京法経学院の年度別過去問題集は15年分くらいの過去問を収録しており、その本を利用する場合は「過去問は15年分で十分派」に鞍替えすることもできます。

15年分で十分派の方が取りうるもう1つの選択肢として土地家屋調査士 過去問セレクト(午後の部・択一) があります。この本は改訂第5版の時点で平成16年度~令和元年度(16年分)の過去問を厳選して収録しており、最初から15年分で十分派に属すつもりならこちらを選ぶ手もあります。年数は確保したいけれど勉強に時間はかけられないので問題量は少なくしたい方におすすめです。

30年分以上必要派の方に向けた話

もし7年分では足りない、そしてあと3年分または8年分くらい足したところで焼け石に水だ、火起請だと思うなら東京法経学院の30年分以上の択一式の分野別の過去問題集(こちらはⅠです。Ⅱも忘れずに)や同じく東京法経学院の50年分以上の択一式の分野別の過去問題集を使いましょう。私もこちらを使って勉強しました。収録年数が多いため問題を全部解くのに時間がかかりますし、すべての問題の知識を身に付けるのは難しいと思いますが、問題を解き切って知識を身に付け終わった後に一番得点力が付いている過去問題集は、まず間違いなく収録年数が多い東京法経学院のものです。

サイズが小さくて持ち運びやすいこと

東京法経学院の過去問題集はどれもB5判(18.2cm×25.7cm。週刊少年ジャンプや週刊少年マガジンくらいの大きさ)ですが、日建学院の過去問題集はA5判(14.8cm×21.0cm。コロコロコミックくらいの大きさ)なので持ち運びやすいです。収録は8年分なので厚みはコロコロコミックの半分くらいしかなく、カバンの中にも入れやすいです。東京法経学院の択一過去問マスター(こちらはⅠです。Ⅱも忘れずに)はサイズが大きい上に、厚みはどちらかというとコロコロコミックのほうに近いので持ち運びやすさでは劣ります。

土地家屋調査士 過去問セレクト(午後の部・択一) もA5判で小さめなので良いですね。

左(←)に問題、右(→)に解説の見開き構成であること

日建学院の択一式過去問題集は左(←)に問題、右(→)に解説の見開き構成だとよく言われています。この見開き構成を維持するために、解説が長引いたり問題が2ページ分あったりして、次の左(←)ページまで解説に費やしたときは、その隣の右(→)ページにサイキゼミという、今の私にとってはあってもなくても特に困ることはなさそうな初学者向けのコラムや空白のメモのページを差し込むことで、それ以降の問題を再び見開き構成に戻しています。

実はこのサイキゼミというのは第81講まであり(要はコラムが81個あります。数が多いため読みごたえがありますし、たぶん人によっては参考になることも多いと思います。第61講は見開きでサイキゼミを展開)、MEMOのページも本試験形式の過去問を載せる前のページには10ページあり(MEMOのページは本試験形式の問題後にもう1ページ付いており全部で11ページある)、おまけに不動産登記法の問題から土地家屋調査士法の問題に移るときに入る土地家屋調査士法の表紙のページや本試験形式で掲載されている最新年度の過去問の表紙のページも右(→)側にあります。つまり本書は1対1の完全な見開き構成ではなく、解説が次のページにまで続いてしまっていることがかなり多いです。

20問×7年分=140問ということで、本書に収録されている分野別の問題は全部で140問なのですが、そのうち1対1の完全な見開き構成を維持できているのは48問のみです(全140問-サイキゼミ81p+見開きサイキゼミ1p-MEMO10p-表紙2p=48問)。残りの92問は解説が次のページまで続いています。92/140問ということで約65%、つまりおおむね3分の2の割合で本書に収録されている問題は1対1の完全な見開き構成ではありません。

サイズが小さいことで不利な点2つ

サイズが小さいことで不利な点も出てくると思います。それは1対1の完全な見開き構成を維持しようと思えば解説を短くせざるを得ないことです。文字サイズを極端に小さくするのでもなければ小さな本に掲載できる文字数は比較的わずかであり、1対1の完全な見開き構成を無理に維持しようと思えば解説が十分にできなくなってしまいます。したがって、問題の大半が1対1の完全な見開き構成を維持できていないのは仕方がないことだと思います。

もう1つ思うのは、本が小さいので余白も少ないことです。東京法経学院の択一過去問マスター(こちらはⅠです。Ⅱも忘れずに)は本のサイズが大きい分、余白も多かったので肢ごとに何か気がついたことがあれば何でも書き込んで、後日、書き込んだ内容が誤りだと判明したときはそれを二重線で消して、また後日、何かを思いつたときはそこにその思いついたことを書き込むというように何度も書いたり消したりを繰り返していましたが、サイズが小さい過去問題集だとスペース的にそういうことをするのが難しそうです。おそらくMEMOのページを活用することになると思います。

解説に関していえば、東京法経学院の過去問題集よりも深くて分かりやすい解説、もはや初学者ではなく中級者だと思う私でも参考になったと思う解説もあるので、東京法経学院の過去問題集をメインに勉強してきた方が本書を利用すれば参考になることが多いと思います。他社の問題集を使ってみることが重要なのではないかと思います。予備校利用者でも、もう一度、今度は他社の基礎講座を受けてみるというのも勉強になると思います。たとえばフルカラーテキストの調査士講座などですね。これまでとは違った新しいものが得られます。しかも本書は収録問題数が少ないので比較的短期間でものにすることができます。もう初学者でない分、なおさらです。

7年分の不登法の過去問を解いてみての感想

試験会場にいるときは気がつきませんでしたが、思っていたよりも同じ問題が何度も出ていたと思います。独学者が試験で高得点を叩き出すためには30年分以上の過去問を解くことが必須だと思いますが、ここ数年の新しいほうの過去問だけを繰り返し解くことも良い試験対策になると思います。

なかには択一式は毎回8、9割取れていて、記述式も何かが分からなくて試験に落ちているわけではないので新しいほうの1年分収録の過去問題集は購入していない方もいると思いますが(こういう方が増えると本は売れなくなっていきます。本来本を買うべき、もっと勉強しないといけない方たちが試験に合格して、もう勉強は十分で新しい本など必要としていない方たちが試験に落ちている場合はそうなります)、補充していない過去問が何年分か溜まってきたところで、本書を購入してみて新しいほうの過去問も分野別に解いてみることをおすすめします。現在流行している繰り返し問題はどれかなどの新たな発見があると思います。東京法経学院の30年分以上の択一式の分野別の過去問題集(こちらはⅠです。Ⅱも忘れずに)や同じく東京法経学院の50年分以上の択一式の分野別の過去問題集を使わずに本書だけを使って勉強している方の気持ちも分かるようになると思います。

重要度、292ページのオ、スーツのボタン

本書は問題ごとにS、A、B、Cの4段階で重要度が掲載されています。しかし、結局試験に合格するためには過去問は全部解かないといけないと思うのであまり気にする必要はないと思います。

本書の292ページのオの問題の「オ」の字を見てみましょう。たぶん「オ」の字の中に点が入っていると思います(もしかすると入っていないかもしれません。他の本も同じようになっているかどうかは調べていないので分かりません。今度書店で調べてみようと思います。←他の本にも点が付いていました!)。

平積みされた本の一番上に本書があると、本書の表紙に写っているスーツ姿の男性のへその部分のボタンをときどきゴミと見間違えて思わずそのゴミを取ろうとしてその部分をこすってしまうことがあります。これがきっかけで本書を手に取り、思わず勉強を始めてしまう方もいると思います。


いかがでしたか? 本書は勉強の指針を立てようとする初学者や長年過去問の補充が追い付いていない中級者にぴったりの過去問題集だと思います。試験の傾向と対策や、法務省の受験案内書も掲載し、最新1年分の択一式に関しては受験者数や基準点、得点別員数表なども掲載しており、過去問以外の部分についても参考になるところが多いと思います。

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