難関資格試験の学生合格者数

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日本には社会科学(経済、経営、法律、政治等)を専攻する大学生が約80万人(つまり1学年20万人くらい)います。文部科学統計要覧(平成29年版)によると正確には平成28年(2016年)時点で82万9,399人です。ちなみに大学生は日本全国に約250万人います(正確には256万7,030人)。

しかし、そのうち難関資格試験に合格する学生の数は500人くらいしかいないのです(社会科学専攻1学年20万人の中の0.25%に当たる。そもそも誰もが資格試験の合格を目指しているわけではありませんし、学生のうちに合格しないといけないものでもありませんが……)。

しかも、そのうちの約400人は公認会計士試験の合格者です。ほかの難関資格試験の合格者数は約100人しかいません。そこから司法試験の合格者数を除くと、もう20人を切るくらいの人数にしかなりません。何十万人もいる大学生の前では、もはやいないも同然の数字です(20人÷社会科学専攻の1学年20万人=0.01%(1万人に1人))。

まるで稼げる系の情報商材なみに稼げない、受からないというのが難関資格試験なのです。何か特別な理由や、強い目的意識があるのでもなければ、学生はもちろん当然社会人も、最初から関わらないほうが無難です。

大学生というと、TOEICや秘書検定の勉強をしたり、何か難しい国家資格の勉強をしている人もいると思いますが、学生が在学中に取っている資格の相場(学生はどのくらいの難易度の資格試験に合格しているか)は、ネットでよく言われている話よりもずっと低いところにあります。詳しくは後述しますが、ネット上ではよく簡単だと言われている宅建試験ですら実際には合格が困難です。

平成28年(2016年)度試験の合格者数
学生合格者全体学生の割合
司法試験69名1,583名4.358%
公認会計士412名1,108名37.184%
税理士2名756名0.264%
司法書士7名660名1.060%
土地家屋調査士4名402名0.995%
弁理士2名296名0.675%
不動産鑑定士不明(103名)不明
合計4964,80510.322

公認会計士試験の学生合格者数には短大生を含み、大学院在学の13名は含まない。司法書士試験、土地家屋調査士試験は学生合格者数が公表されていないため、22歳以下の合格者数を合計した(そのため全員が学生とは限らない)。

司法書士試験、土地家屋調査士試験は合格者の平均年齢がとても高いです。司法書士試験38.03歳、土地家屋調査士試験40.06歳です。公認会計士試験は26.2歳です(若い。学生の割合も断トツ)。

税理士試験は受験資格を学歴で満たすなら大学3年次以降でないと受験できません。司法試験は大学生なら予備試験に合格していないと受験できません。なお不動産鑑定士試験は学生合格者数が公表されていないため不明です。

宝くじの話(戻る

ところで新聞に載っていた開運グッズの広告で見たのですが、平成27年(2015年)の宝くじ、サッカーくじで1億円以上の高額当せんは全部で448口あったそうです。学生で難関資格試験に合格した人は、宝くじ等で1億円以上を当てた人と同じくらいに珍しい存在だということです(400人でも500人でも大して変わらないでしょう)。

あなたの周りに宝くじ等で1億円以上を当てた人はどのくらいいますか? 土地家屋調査士試験は合格者が例年約400人しかいませんから、宝くじ等で1億円以上を当てた人のほうが数が多いくらいです。その上、月刊誌「不動産法律セミナー」の合格者アンケート(2018年12月現在ネットで検索すれば見られる2015年合格者のもの)によると、土地家屋調査士試験の合格者の9割強は受験指導校を利用しており、もはや独学合格者の存在など風前のともしびです。

宅建試験の話(戻る

平成28年(2016年)度試験の合格者数
学生全体学生の割合
宅地建物取引士3,395名30,589名11.1%
社会保険労務士10名1,770名0.564%
行政書士不明4,084名不明

宅建でも社会科学専攻の大学生の1.7%(3,395人/1学年20万人)くらいにしかなりませんから、学生で宅建合格というのは結構珍しい話になります。宅建合格者(累積で100万人を超えていると思う)の全員が未だ現役で働いているとしても、彼らの労働力人口に占める割合は1.数パーセントにすぎませんから社会に出てもやはり同じくらいには珍しいと言えます。

宅建試験や行政書士試験はネット上ではよく馬鹿にされていますが、たぶんほとんどの人は何年勉強しても試験に受かりません。大学進学率25%強の時代に大学に進学した私のハイソな父は、不動産販売会社に勤めて数十年の時を経ましたが、宅建試験には合格していません。

そもそも宅建試験以前に、高校偏差値50前後の学力的には平均的な、いわゆる普通の日本人の職業高校生が宅建試験よりもずっと簡単な測量士補試験や3級FP技能士試験に合格すると、地方ではニュースになるくらいです。

有名難関大学生による準難関資格試験の合格率

日本大学法学部という有名難関大学(2017年、Benesseマナビジョンで偏差値58〜65)の学生でも、宅建・行政書士試験の合格率は受験生全体の合格率を下回っており(下記データ参照)、仮に大学入試の偏差値順に宅建試験の合格率も上がっていくと考えると、宅建試験合格者の学力のボリュームゾーンは日本大学法学部の学生よりも上であることがうかがえます(その学力に到達したのが子供のときか、それとも大人になってからかという違いはありますが……)。

また仮に日本大学法学部よりも難易度の高いどこかの大学の段階で、宅建試験の一般合格率15%程度に届いたとしても、その段階ではまだ受験生の85%は試験に落ちており、宅建試験のことを簡単な試験だとは言いにくいです。


日本大学法学部校友会は「資格・検定・公務員試験褒章制度」を設けており、日本大学法学部及び大学院法学研究科、新聞学研究科、法務研究科に在学する学生の宅建・行政書士・社労士試験の結果は次のようになっていますエントリーは受験者数ではないと思うため、一般合格率のほうも合格者数÷出願者数で求めています。一般合格率の欄のかっこ内は受験者比の合格率です

平成29年(2017年)
エントリー合格者日大合格率一般合格率
宅地建物取引士214名20名9.3%12.6%(15.6%)
行政書士74名5名6.7%12.1%(15.7%)
社会保険労務士7名0名0.0%5.2%(6.8%)
平成28年(2016年)
エントリー合格者日大合格率一般合格率
宅地建物取引士150名15名10.0%12.4%(15.4%)
行政書士71名2名2.8%7.6%(10.0%)
社会保険労務士7名0名0.0%3.4%(4.4%)

平成28年(2016年)度の宅建合格者は全員、学生研究室の在籍者または法学部エクステンションセンター課外講座の受講生であることを示す副賞(平成28年(2016年)度は高級ボールペン)も授与されていました。

日本大学法学部という有名難関大学の学生でも、そしてネット上ではよく簡単だと言われている宅建試験でさえも、けして1人で勉強して受かっているわけではないのです。

ましてや土地家屋調査士試験に独学で合格しようとするなど正気の沙汰ではありません。独学でやって何年も受からない人がほとんどだと思います。もし合格を目指すのであれば「合格実績の高い東京法経学院」や「免除資格者Aコース【通信】 」等の講座の利用が必須でしょうね。