「クリスマスを探偵と」(伊坂幸太郎)の感想

★★★★
伯爵レグホン大佐 2014/11/16(Sun) 13:45

あらすじ

クリスマスに浮気調査をしていた探偵が休憩のためにベンチに腰かけていたところ、同じベンチに座っていた男性から話しかけられ、探偵はその男とクリスマスについて談笑する。クリスマスを探偵と過ごす短編作品。

感想

本書は伊坂幸太郎が大学1年生の時に生まれて初めて完成させた小説のプロットを使用しているらしい。ミステリーの短編は二転、三転しなくてはならないと思い、自分なりに頭を使ったと、あとがきに書かれている。会話の部分や文章は全面的に書き直されており、素人時代そのままの作品というわけではないらしい。

さて本書は短編なのでストーリーがさくさく進む。さくさく進むのでとても読みやすい。また、読み終えて後味が悪い話でもなければ、結局意味がわからないという話でもないので良かった。

伊坂幸太郎が言うには、あまりにも展開がバレバレであるため、少しでもバレにくいように伏線を引いたり、足したりしたらしい。私には展開が読めなかったが、湯浅社長のように、人によっては展開がバレバレで、万里の長城を期待していたのに積水ハウスだった、なんてことになるのかもしれない。

なんにしても読みやすくて良い。30分~40分程度で読めるので、時間が無いときでもサラっと読める。通勤・通学等で電車やバスに乗る方にお勧めしたい。また電子書籍版は〇円程度なのでリーズナブルである。

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電子書籍は作品内の言葉を検索できるので、伏線があった場合、どの伏線を回収したのかが分かりやすくて良い。物語の冒頭に出た伏線が終盤で回収される場合、冒頭のことなどあまり覚えていないので、具体的にはどんな内容だったかを思い出すのにちょうどよい。

なんにせよ読みやすい。これからも本書のように読みやすいプロットでミステリー小説を書いてくれるとうれしいと思う。

おわり。

伊坂幸太郎の本の感想文