「マンガでわかる流体力学」(武居昌宏)の感想

★★★★
伯爵レグホン大佐 2013/06/16(Sun) 00:42

内容

流体力学をマンガで解説したもの。内容としては大学3年生レベルまでの流体力学を扱っている。天然系少女の主人公と、そこそこ流体力学に詳しい少女が、力学について高い知識を持つ少年に流力を教わる話。

感想

マンガでわかる心理学」という本を以前、購入したことがある。なかなかわかりやすく、面白かったので、学問系の本をまた購入してみた。内容は確かにわかりやすい。大学の講義と同じようなレベルだと思う内容も多い。私の行った大学のレベルが低いだけかもしれないが。

流体力学の講義を受けたことがある人なら、大抵は聞いたことがある内容なのですんなり頭に入ってくる。しかし、流体力学を学んでいない人にとっては分かりやすいかどうかは分からない。マンガであるから分かりやすい、というわけでもない気がする。ただ物理学を学んでいるなら流力はわかると思う。

機械工学では主に4力と呼ばれる4つの力学があり、それらは材料力学、機械力学、熱力学、流体力学の4つに分類される。少し解説すると次のようなもの。

  1. 材力

    仕事をするにあたり、最も役に立つと思う力学。就職希望先がメーカーなら必需品。第3次産業の人には不要。序盤は簡単だが、断面1次モーメント、断面2次モーメントの辺りから意味が分からなくなる。

  2. 機力

    ばね係数、弾性係数、振動係数などを学ぶ。理解していると何かとお得な力学。これさえ分かれば橋をも壊せる。冷蔵庫の振動音も消せる。正直言って最も記憶に残っていない。私には意味不明だった。

  3. 熱力

    エントロピーとかを学ぶ。熱力学第1法則、第2法則あたりまではいいが、第3法則あたりから意味不明になる。あまり使うことがない。熱計算ができる人は少ないらしい。

  4. 流力

    ベルヌーイとかトリチェリとかオイラーなどの人名と、その人達の公式がやたらと出てくる力学。物理学の延長といえる。上記3つの力学よりは、だいぶ分かりやすい。しかし、分かりやすいのは公式だけで、公式が何を意味するかは分かりづらい。

話がそれたが、この本は流力を扱っている。流力の講義を受けた大学生が復習として読めば良いと思う。マンガの絵も結構きれいで内容も悪くない。ただし、主人公たちは想像力が高すぎるので、私はついていけないこともあった。

「行ったつもりで物件合宿。まずはスキューバダイビングとかどうでしょうか」

こんなことを少年が言い始める。マンガではスキューバーダイビングをしている。だけどそれは全部想像で、行ったつもりになっているだけで、実際はどこにも行っていない。


管理人の注釈。そもそも物件合宿とは? この感想文の誤字なのか、それとも本書を読めばその意味が分かるようになっているのかの区別が私には付きません。


とりあえず、工学系で流力が分からなくて困っていて、この本をレジまで持っていくことができる方にはおすすめ。

実際のところ、店員は誰がどんな本を、いつ、どこで、どんな方法で購入しようが、まったく気にしていないと思う(管理人の注釈。氷菓)。世間の人はあなたに興味を持っていないです。もちろん私も同様。ただし、友人や知人に見つかったときは話が別だと思います。

印象に残ったこと

  1. 小学校の給食の時間にスプーンで実験するなどと言ったら、食器で遊ぶなと先生に怒られそう。しかし、実験なので良いのかもしれない。
  2. 変化球のカーブを流力的に考えるため、主人公たちは想像で野球を始める。想像の中でバットを振って、ストライクを入れられたり、球が見えたとか見えないとか言う。マンガだからこそ成り立つ展開だと思う。

勉強関連の本の感想文