「パイレーツ・オブ・カリビアン 自由の代償 上・下」(A.C.クリスピン/著 富永和子/訳)の感想

★★★★
伯爵レグホン大佐 2014/02/09(Sun) 00:16

感想

本書はパイレーツ・オブ・カリビアンのスピンオフのような小説である。時系列としては1作目の映画の約13年前のストーリーであると思われる。

本書はカリビアンファンには待望の一冊である。ファンでない人がこれを読んでも全く面白くないと思うので読まないほうが良い。ファンでも上巻の序盤は面白みを感じないかもしれない。私が面白くなかったのでそう言っているだけだが。

本書は上巻、下巻合わせて1000ページの大作である。本書を読むくらいなら「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」などを読むほうが教養になるので良いかもしれない。とりあえず長い。上巻はあまりストーリーが進まない。上巻の半分くらいは伏線に使う過去の回想の話である。下巻はわりとさくさく進む。

また本書は船の専門用語が多く、正直意味が分からない。私はスループ船やブリガンチン船などの船の名前を知らない。というか、どうでもいい。なのでたまに意味が分かっていなかったりするが私はファンなのでよく分からなくても最後まで読めた。

また、本書は中途半端に外国語が出てくる。日本語にカタカナで英語読みのルビが振ってある。正直そんな中途半端に外国語を出すくらいなら全部日本語で書けばいいのにと思う。

映画でもよく船員が「アイ!」と言っている。「アイ! 船長!」みたいな感じで言う。それくらいなら良いと思うが、「ディオ・ミーオ!(なんてことだ!)」みたいに必要かどうかわからない言葉にまで英語読みのルビを振るのはどうかと思う。

それはともかくブリガンチンはブリチンガンと読み間違えやすいと本書を読んで思った。

おわり。

印象に残ったこと

  • 東インド貿易会社西アフリカ輸出部門の責任者、カトラー・ベケット。

    よくわからないが肩書きが長い。ベケットは13年後は貴族になってベケット卿になる。

  • トゲルンスル

    よくわからないが下から三番目の帆のこと。

  • 船員の食事は塩漬けの牛肉と豚肉の小樽、固いビスケット

    もっといいものが食べたい。船長はもう少しいいものを食べるらしい。

話題作の感想文