「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」の感想

テッド・エリオット、テリー・ロッシオ/脚本 鈴木玲子/ノベライズ
★★★
伯爵レグホン大佐 2013/06/29(Sat) 01:31

あらすじ

パイレーツ・オブ・カリビアンの3作目である「ワールドエンド」の小説版。2作目である「デッドマンズ・チェスト」のラストでクラーケンに飲み込まれたジャック・スパロウを救い出す話。救った後は東インド貿易会社および深海の悪魔デイヴィ・ジョーンズと対決する。

感想

なぜ3作目の感想から書くのかというと、特に理由はない。一応1、2作目も読んでいるが、感想文としてここに載せるほどの文章量にならなかった(管理人の注釈。それは理由なのでは?)。

本作のストーリーは映画のそれと同じ。セリフは多少異なるが意味合いはだいたい同じ。ただし、映画よりも小説のほうが遥かにストーリーがわかりやすい。ちなみに映画ではシンガポールの海賊長サオ・フェンの扱いが酷い。小説では立派な人なのだが、映画では残念な人にされている。

そもそも3作目の映画は、たぶん1、2作目を見ていても内容が分かりづらいと思う。いろいろと唐突すぎるためである。正直言って最初のシーンから意味が分からない。映画の3作目は、映画の1、2作目を見て、さらに小説の1~3を読んで、やっと内容が分かるレベルではないかと思う。映画版はそれほど内容が分かりづらい。ただし、内容を理解した上で見るなら3作目が一番面白い。私は3作目こそ集大成だと思う。4作目は蛇足だと思う。

本作では1作目で敵役だったバルボッサが、ドラゴンボールのベジータ並みに活躍する。しかし、小説の文章を読んでも、その文章からは映画のようなアクションを想像しづらい。単純に私の想像力が足りないだけかもしれないが。映画では迫力があるシーンでも、文章では全く迫力がない。これはアクション映画の小説版の残念なところである。

とりあえず映画の3作目を見たが、まったく意味が分からない、という人におすすめの作品。ただ実際には3作目だけを読んでも意味が分からないと思うので、1作目から読むべきかもしれない。4作目は個人的には読んでも読まなくてもどちらでもよいと思う。

印象に残った場面やセリフ

  • 「枚挙に暇がない」

    帯に記載された著者についての説明文。なかなか見ることができない言葉だと思う。国語の教科書以来な気がする。

  • 終盤の戦闘シーンで一応主人公であるウィルが突然、ヒロインに結婚を申し込むという、最も意味が分からないシーン。映画では「今しかないんだ!」とウィルが言う。なぜ今しかないのか。それは死ぬかもしれないからということらしい。

話題作の感想文