「下流社会<上> ~新たな階層集団の出現~
下流社会<下> ~なぜ男は女に"負けた"のか~」の感想
(両方とも三浦展さんが書いた本)
★★★
伯爵レグホン大佐 2013/06/29(Sat) 23:40
伯爵レグホン大佐 2013/06/29(Sat) 23:40
内容
三浦展の著書である下流社会の上巻および下巻。上巻は世代ごとに分類・分析を行っている。また、ある世代においては○○系という分類をして、さらなる分析を行っている。アンケートによる調査を行い、それをもとにグラフや表を作成し、説明している。
下巻は特に若者について書かれており、若者をグループごとに分類している。ニートについても触れているが、ニートに認定されるのは大体男性のみである。
三浦展の展は「あつし」と読む。「てん」ではない。
感想
この本で特筆すべきは調査の手法についてである。本書は調査をもとに様々な表などが掲載され、それを論拠として話が進んでいく。ところがこの調査は対象人数が5人~50人くらいと幅が広く、少ないものでは10人程度、あるいはそれ以下だったりする。どういう調査をしたのかは分からないが、偶然自分に都合の良いデータだけが集まった表を作成してしまうおそれがあるため、もっと調査人数を増やすべきだと思う。
本書には上流・中流・下流の3項目が調査対象として出てくる。今や中流と下流の人数は同程度らしい。下流は自分らしさを求めるとかなんとか。これについては他の本にもよく書かれていると思う。青い鳥を目指して進んでいく若者が最近多いとか。
とりあえずこの本は、というか、これ以外のこういった本も含めて、小説のような作り物の物語ではなくても、フィクションであると明記されていなくても、内容をうのみにしないほうが良いと思う。もしかするとファンタジーとして読むのがちょうどよいかもしれない。私のように、こういう格差とか下流とかいうタイトルに惹かれる人もきっといると思う。そういう人が楽しめる良い本だと思う。
印象に残った内容
若者(男性)の分類、若者(女性)の分類。よくこんな分類を思いついたと思う。これは面白い。