「下流思考 ~学ばない子供たち 働かない若者たち~」(内田樹)の感想


伯爵レグホン大佐 2013/06/13(Thu) 21:53

あらすじ

本書の主題は「学びからの逃走・労働からの逃走」らしい。講演で話をした内容を本にしてまとめたのが本書である。

感想

この本の帯には「こっそり聞いた本当に面白い文庫」と記載されている。小説のような作り話ではなく、こういった社会問題を真面目に解説している新書のような類の本が面白いというのは何だか変に感じてしまう。

-管理人の注釈。この部分の前後を一部削除。-

実際にはそういった例があるかもしれないし、ないかもしれない。たとえば今の大学生の英語のレベルは、著者の時代の中学校2年生と同じレベルですと言われても「ああ、そう」くらいに感じる。というよりも、それはどうやって調べたのか。

大学で研究していて実感したが、データなんていくらでも作れる。自分のほしいデータに合わせることは、やり方によっては可能だから。たとえば私は英語力が中学生レベルだから当たっているとも言える。しかし、だからと言ってすべての人がそうだとは限らないと思う。

最近の人はわからないものをわからないままにできるという。単に興味を持っていないだけにも思える。興味のあることは調べるだろうし、ないことは調べないと思う。

小説などの作り話ではなく、真面目に現代社会の問題を解説しているようなこういう本をいくつか読んでみて分かったが、こういった本に書いてあることは、その本がフィクションであると明記されていなくても鵜呑みにしないほうがよいと思う。みなさんはテレビ番組の「ホンマでっかTV」を見たことがあるだろうか? 新書や意見本などはそれと同じような心構えで気楽に読むと良いと思う。私のように、こういう下流とか格差とかいうタイトルの本にひかれる人もきっといると思う。そういう人が楽しめる良い本だと思う。

名言

こういう本は「つまり」とか「ようするに」とか「ですから」とか言って「いったいなんでそうなるのか?」と思うことを書いてあるところが面白いポイントだと思う。大学さえ選ばなければ、小学校の低学年で学びを放棄した子どもでも大学生になることができるというのは完全に私のこと。大学全入時代ってすごい!!

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