「食い意地クン」(久住昌之/著・イラスト おならブー太/漫画)の感想
伯爵レグホン大佐 2014/01/19(Sun) 16:05
感想
本書は以前に感想を書いた「釜石の石割り桜」の著者である久住昌之(くすみまさゆき)のエッセイである。今回は久住昌之が自分の好きなメニューについて熱く持論を語る。久住昌之という人物が食に対してどう考えているかを理解することができる。本書を読んで私はそう感じた。
さて、本書を読むと久住昌之は食に対してとても貪欲というか、様々なことを考えている人物であることが分かった。私自身も気がつかないだけで様々なことを考えながら食事をしているかもしれないが、それを文章化したことはない。久住昌之は多くの人々が文章化しないであろう、食に対する考えを文章化した人物であるということが分かる。
もちろん久住昌之だけでなく世の多くの料理漫画は食に対する考えを文章とイラストで表現している。なにも久住昌之が特別変わった人物というわけではない。確かに私自身も無意識ながら様々なことを考えて食事をしていると思う。たとえば弁当を買って食べるときは、どの具から食べ進めるか。ご飯とおかずの量は調整できるか。カレーであればルーだけ、あるいはご飯だけが残ってしまわないように調整するということである。それくらいのことは大抵の人が無意識にやっていることだと思う。そういうことを久住昌之はエッセイで熱く語っているのである。
本書は1つのメニューにつき6ページくらいを使って久住昌之が熱く語り、また、久住昌之の描いた料理のイラストがこの6ページ内に2つある。そしてこの6ページに加えて「おならブー太」という名前の漫画家の描いた4コマと絵が1ページずつ付いてくる。つまり1つのメニューに対し、合計8ページある。
この4コマにはその章で紹介されているメニューを食べる久住昌之が描かれているが、絵が汚すぎて何を食べているのかがよくわからない。そもそも線がつながっていない。久住昌之が6ページ内で描く料理のイラストのほうが数段上手い。4コマの内容自体は酷いものではないが、絵が雑すぎると思う。
ちなみに、この「おならブー太」とは、久住昌之がイラストレーターとして活動するときの名前である。つまり久住昌之は料理のイラストはきれいに描いているのに、4コマは雑に描いているということである。ただ構図などはまとまっているので時間をかけて描いていないだけかもしれない。ということで終わり。
印象に残ったこと
イノウエ君(あだ名:ジャミラ)の話。