「オセロー(シェイクスピア/著 福田恒存/翻訳)」の感想

★★★
伯爵レグホン大佐 2013/08/10(Sat) 10:44

あらすじ

イアーゴーという旗手は出世できず、人事を決めている上司の将軍オセローをとても憎んでいた。自分は副官になってもよいほどの存在なのに、なぜ副官に任命されるのは「マイケル・キャシオー」と名のるフローレンス人なのだろうか? オセローが憎いので、オセローとその新妻とついでに副官のキャシオーを酷い目に合わせてやろう、という話。

感想

オセローはオセロの由来らしい。ウィキペディアにはそう書いてある。ちなみにオセロと同じゲームで名前だけが違うリバーシというものもある。こちらは源平碁とも呼ばれるらしい。

要はオセロはオセローで、リバーシは源氏と平家ということなのだろうか。そういうことにしておこうと思う。ちなみにオセロのキャッチコピーとして「覚えるのに1分、極めるのに一生」というものがあるが、オセロを覚えるには1分以上かかると思う(管理人の注釈。何をどう覚えるかにもよると思います。オセロを用意して石を動かしながら「縦・横・斜めのいずれかで挟めばひっくり返せる」と言えば1分で覚えられると思います)。

そういえば昔「極めればシーザー」というキャッチコピーのCMがあった気がする。犬のエサのCMである。詳しい内容は覚えていないが、たとえ犬でも極まるとシーザーになるらしい。

それはそうとオセローはムーア人らしい。ムーア人は肌が黒いらしい。しかし、別に差別されているというわけではないらしい。その点、複雑なのである。ちなみに妻はデズデモーナという名前なのだが、何だかすごいというか、恐ろしい名前だと感じてしまう。デズデと来て、次がモーナなのだから仕方がない。デズデモーナ……。ゲームのラスボスみたいな名前である。

イアーゴーは副官になれなかったことをとても憎んでいる。イアーゴーはなかなか大した人物で人を騙すのが得意である。騙される将軍オセローが、普通の人よりも騙されやすいだけかもしれないが。ロダリーゴーもイアーゴーに騙されてお金が無くなり、しまいには刺されて、いつの間にか絶命している。

将軍オセローは実直、素直な人物で思慮がやや欠けており、イアーゴーには絶大な信頼を置いているらしい。将軍オセローから見るとイアーゴーは誠実な男らしい。そういう見方をしているから騙されたのか、それともイアーゴーがすごいのか。

ところでなぜキャシオーが副官に任命されたのかが私にはよくわからない。イアーゴーによるとキャシオーは戦場で指揮をとったことが一度もなく、口先だけの男らしい。口先だけというが、イアーゴーも言葉というか、喋りにはかなり高度な技術を持っており、人を騙したりしている。

印象に残ったこと

ロダリーゴーは土地を全部売り飛ばし、そのお金をイアーゴーの財布に入れて破産する。

昔の名作の感想文