独学最低限の書籍で安く早く受かる土地家屋調査士試験の勉強方法・テキスト・過去問のヒント(択一式編)

私は土地家屋調査士試験の多肢択一式問題で9割以上得点しています(多肢択一式問題は50点満点)。記述式問題は座標値1問正解、申請書(出せない地積は除く)、図面(出せない辺長は除く)、論述を一通り書くと、いろいろ減点されて被採点者(約2,000人)の中で真ん中くらいの点数になるというのが目安だと思います。

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択一式のテキストは全部で4種類あります。もし何か1つテキストを購入するなら個人的には「NEW 4WDノート -4KU-NOTE-」がおすすめですが、ここはいっそのことテキストなしで勉強してみるのも良いと思います。いるかどうかで言えば、テキストは「絶対に必要なもの」ではありません。

択一式のテキスト

リンク先で本のレビューや概要が読めます。一部、立ち読みできる物もあります。


受験100講Ⅰ・Ⅱ

受験指導50年以上の実績を持つ「早稲田法科専門学院」の講座で使われているテキストです。この本は文章の書きぶりが過去に司法試験の論文式の勉強をしたことがある人のそれに何となく似ていると思います。独学で論文式の勉強をする人は、まずは「論証ブロック」の暗記をしながら論文式試験の解答の仕方を学ぶところから始めるのが一般的だと思いますが、その論証ブロックに似た雰囲気を持っているのが本書です。

少し変わった本なので、ネット上でも賛否両論ある本ですが、この本のことを良い本だと言う人もたくさんいます。そういう人たちの中には「早稲田法科専門学院」の講座の利用者が多いため、もしこの本の内容をもっと理解したいと思ったときには同校の講座の利用をお勧めします。本書を買ってみて理解できないようなら早稲田法科専門学院の講座を購入すれば良いだけなのでリカバリーがきく本だと思います。早稲田法科専門学院の講座を購入すると付いてくる付属教材(たとえば「受験100講Ⅰ・Ⅱ」や関数電卓など)の一部をすでに持っているときは、講座購入の際にその旨連絡することで、その価格分を講座の価格から差し引いてくれるそうです。

なお改訂3版のこの本のそで(本のカバーのうち、内側に折り曲げている部分のこと)には「現在活躍中の全国の司法書士の約4割、土地家屋調査士の8割は、本学院の卒業生で占められている」と書かれていました(もっと古い本でならこちらでも確認できます)。当時活躍中の全国の土地家屋調査士のうち、早稲田法科専門学院の卒業生でない人は2割しかいません。同校の公式サイトで見られる合格体験記のページによると、今でも毎年100名前後の合格者を輩出しているそうです(ちなみに土地家屋調査士試験の合格者は全体で400人くらいです)。

合格者を多く輩出している予備校はほかにもあり、たとえば1年で土地家屋調査士と測量士補のダブル合格は可能です!!と語尾にビックリマークを2つも付けて自信を持って言い切る信頼と万全の東京法経学院」(沿革を見ると、この予備校も受験指導を始めてから50年以上たっていると思う)も合格者の輩出者数や占有率がとても高いです。東京法経学院は毎年200名前後の合格者を輩出しています。

土地家屋調査士試験の予備校は、ほかにも「LEC東京リーガルマインド」「金子塾」「日建学院」「九州不動産専門学院」「アガルートアカデミー」の5つがあります。月刊誌「不動産法律セミナー」の合格者アンケート調査によると土地家屋調査士試験の合格者の9割強は受験指導校を利用しており、受験生や合格者のブログなどを見ると毎年いろいろな予備校をはしごしていることが分かり、独学を選んでいる時点で一般的な合格者の相場を大きくかけ離れているため、ここはいっそのこと逆方向を極めてみる(テキストなしで勉強する)ほうが潔いと思います。本当に試験に合格したいと思うなら毎年講座をガンガン購入していくのが当たり前の世界において、独学で安いテキストを買ってどうこうしようというのは往生際が悪いと思います。焼け石に水です。

土地家屋調査士試験は年々、初学者や独学者が受かりにくい試験になっています。その証拠に午前の部の記述式で8割〜9割近い合格基準点をクリアしている午前の部の合格者が、午後の部の試験に落ちる割合が年々高まっています。2016年は76.9%、2017年は87.5%、2018年は100%が午後の部の試験に落ちました。近年、ネット上では土地家屋調査士試験の午後の部の試験問題は簡単になってきているといううわさもありますが、試験問題が簡単になるとベテラン受験生がきっちり点を取ってくるため初学者は試験に受かりにくいです。試験問題が難しいとベテラン受験生も初学者もどちらも思うように点が取れないため初学者のまぐれ合格もありうるのですが……。

なかには試験問題が簡単だから独学でも土地家屋調査士試験に受かるという勘違いをしている人もいるかもしれませんが、実態はむしろその逆です。土地家屋調査士試験は、ますます予備校利用者有利の試験になりました。試験問題が簡単になってきているため、予備校を利用して、しっかり勉強した人は受験1、2回目でも試験に合格しやすくなっています。月刊誌「不動産法律セミナー」の毎年の合格者アンケート調査の結果を見比べてみれば分かります(このアンケートの回答者の9割強は受験指導校を利用しています)。その一方で、前述したように午前の部の免除を受けないくらいですからおそらく独学の、そして午前の部の試験を受けているくらいですから受験回数がまだ浅いと思われる受験生の合格率は、低迷の一途をたどるばかりです。

試験に合格するために予備校講座を利用するのは仕方がないことだと思います。個人的に一番良いと思うのは毎年200名前後の合格者を輩出している「東京法経学院」の講座を利用することですが、もし金銭的に余裕がないなら比較的安価な「アガルートアカデミー」の講座が良いと思います。

土地家屋調査士試験の予備校はほかにもあるのですが、実はこの2校以外の講座は、土地家屋調査士試験や測量士補試験の勉強をこれらから始めようとしている方が見ていると思われる当サイトからは1度も売れたことがないため、初学者はこの2校のうちどちらかを選んでおけば失敗は少ないのではないかと思います。予備校講座は人によっては、けして安い金額とは言えないため、ここは多くの人が選んでいる予備校を選んでおいたほうが安全だと思います。多くの人が選んでいるということは、多くの人がその予備校のことを「良い!!」と判断したということです。おかげで私も自責の念にかられることなく、自信を持ってこの2校をお勧めできます。

みんなが選んでいる東京法経学院とアガルートアカデミーの通信・通学講座

  • アガルートアカデミー「入門総合講義╱入門総合カリキュラム

    とにかく安いです。東京法経学院の講座でも場合によってはそうなのですが、土地家屋調査士試験というのは独学を選ぶよりも予備校講座を利用したほうが安くつく試験です。お金と時間に余裕がないなら独学はお勧めしません。予備校講座を利用しましょう。


旧合格ノートⅠ上・Ⅰ下・Ⅱ

受験指導50年以上の実績を持ち、毎年200名前後の合格者を輩出している東京法経学院」の講座で使われていたテキストで、かつては市販もされていたオーソドックスなタイプの(要は「受験100講Ⅰ・Ⅱ」のような書きぶりではなく、他の資格試験の予備校本と同じような、よくある普通のタイプの)テキストです。本書は2017年に品切れになり、現在は一般の書店では販売されていない、通学・通信講座専用の非売品のオリジナルテキスト「新合格ノートⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」になっています。

法改正に対応していないため、古いこの本をメインテキストに使うのはお勧めしませんが、2冊目のテキストとして何かの参考にするのは良いと思います。調べ物に使えるテキストを1つしか持っていない(その1つが先生の代わり)というのでは、その1つで問題が解決しない場合には勉強に行き詰まってしまうため、テキストは何冊あっても困りません。


土地家屋調査士 択一攻略要点整理ノート Ⅰ・Ⅱ

重要事項のまとめと練習問題を収録。元は受験指導50年以上の実績を持ち、毎年200名前後の合格者を輩出している東京法経学院」が旧「合格ノート」とともに予備校生に配布していた予備校利用者専用の非売品のオリジナルテキストでしたが、その後、東京法経学院の公式サイトから直接購入できる直販教材として販売されるようになり、貧しい独学受験生のブログを読む限りでは「受験100講Ⅰ・Ⅱ」に替わる新たな選択肢として利用者が増えてきているテキストです(とはいえ、元が0人だったわけですから否が応でも増えますが……)。重要事項のまとめと練習問題が交互に続いており、テキストで得た知識を使って、すぐに練習問題に入ることで、手っ取り早く知識の活用と定着をうながす速習タイプのテキストです。


新合格ノートⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ

旧「合格ノート」は品切れになりましたが、「合格ノート」自体がなくなったわけではありません。受験指導50年以上の実績を持ち、毎年200名前後の合格者を輩出している東京法経学院」の通信講座である「土地家屋調査士 新・最短合格講座」の「基礎力養成編のみ」かつ「教材学習タイプ」(要は講義・答練なしで教材だけがもらえるタイプ)を購入するのが現在最安値の入手方法となっています。

この教材学習タイプは、新「合格ノート」だけではなく、勉強に必要な書籍一式(40冊程度)や縮尺目盛付きの三角定規、全円分度器も付いており、これから勉強を始める独学者の方に非常におすすめのコースです。あとは自分で関数電卓と三角スケール、製図用コンパス、筆記用具(鉛筆、鉛筆削り、消しゴム、ボールペン、ノートなど)を購入すれば勉強に必要なものがすべてそろいます。

勉強に必要なものを素人の変なチョイスではなく、信用できるプロの予備校側が用意してくれているため、他の書籍に浮気せず、とりあえずこれらの本だけで勉強してみようという前向きな気持ちで勉強できると思います(実際に予備校生もこれらの書籍を使って勉強しているわけですし……)。ほかの書籍に手を出さずに済むということは、勉強にかかるお金が浮くということです。自分であれこれの書籍に手を出すよりも、はじめから信用できる書籍一式を手に入れて勉強したほうが安くつくと思います。

自分でほかのいろいろなテキスト、過去問等に手を出した後だと、価格的にこの「教材学習タイプ」は選びにくいと思います。そのため、これから勉強を始める方は、まずはこの「教材学習タイプ」の購入をおすすめします。この「教材学習タイプ」に付いてくる「新合格ノートⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」や、記述式対策のテキスト「書式攻略ノートⅠ・Ⅱ・Ⅲ」は、一般の書店では販売されていない講座利用者専用の非売品のオリジナルテキストです。直販教材や市販の本は、気になれば後から1冊ずつ買い足すこともできますが、「教材学習タイプ」は初めに買っておかないと取り返しがつきません。


土地家屋調査士 NEW 4WDノート -4KU-NOTE-

中・上級者対象のテキストです。元は受験指導50年以上の実績を持ち、毎年200名前後の合格者を輩出している東京法経学院」の中・上級者向け講座で使われていた予備校利用者専用の非売品のオリジナルテキストでしたが、その後、東京法経学院の公式サイトから直接購入できる直販教材として販売されるようになり、すぐに売り切れてしまったテキストです(2019年現在改訂中)。個人的には予備校講座を利用しないならテキストは黙ってこれ1つを買っておくのが一番良いと思います。

本書は基本事項を飛び越えた記述も含まれるハイレベルテキストです。この本に載っていないことは、たぶん他のテキストにも載っていないだろうと思えば、調べ物にもあきらめが付く(要は他の択一式のテキストを購入せずに済む)と思います。独学者はたぶん過去問中心で勉強することになると思うので、テキストは最初から最後までを隅々まで読まずに、何か分からないことがあったときにその答えを探して読むくらいだと思いますので、調べ物用に少々オーバースペック気味な本のほうが独学者に向いていると思います。

本書は8分冊で持ち運びしやすいのも利点です。土地家屋調査士試験のテキストはどれもサイズがB5判(週刊少年ジャンプくらいの大きさ)で大きいです。大きい上に大体どれも電話帳のように分厚いので重く、持ち運んでどうこうするのに向いていません。しかし、8分冊なら持ち運ぶときの負担が軽くなりますし、試験科目の1つである土地家屋調査士法が「未収録」で、民法に関する事項は「重要項目の論点マスターが中心」のため、このサイトのこのページを下のほうまで読めば分かることですが、実はこの本は良いことずくめです。民法の分冊テキスト(2冊)は、使わないなら使わないで、よそに放っておくことで、まるで勉強する範囲が少なくなったかのような錯覚も生まれますので、心理的な負担もその分軽くなると思います。

択一式のテキストのまとめ

択一式のテキストは4種類あります

「受験100講Ⅰ・Ⅱ」はネット上でも賛否両論ある本ですが、それはおそらく読み手側が自分に合うタイプのテキストを選ばなかったことや、それを使って講義が行われる講座を購入しなかったためにその良さに気づけなかったことが原因だと思います。一般の書店で市販されているテキストがそれしかないからと言って、安易にそれに手を出すのではなく、自分に合うタイプのテキストを選ぶことがスムーズに勉強を進めることにつながると思います(「論文を読みたい」「速習したい」「安心したい」「詳しいのが欲しい」の4つです。たとえば最初は「速習タイプ」で勉強して、もっと詳しく知りたくなってきたら「詳細タイプ」に進むというのはどうでしょうか?)。

なお詳しくは後述しますが、私は土地家屋調査士法の勉強にテキストは必要ないと思います。民法の勉強にもテキストは使わず、別の試験向けの問題集で勉強することをお勧めします。そのため土地家屋調査士法が未収録で、民法も普通のテキストではなく、重要項目の論点マスターが中心という「NEW 4WDノート -4KU-NOTE-」はすごく都合が良いのです。

私の勉強の進め方(戻る

不動産登記法と土地家屋調査士法は、両方とも同じような問題が何度も出ているため、まずは過去問を繰り返し解けばなんとかなると思います。ただし、例年、受験生の6割弱は、9割以上取らないと話にならない択一式で合格基準点(得点率6、7割くらいの点数。択一式の点数が合格基準点以上なら記述式を採点してもらえる)を割っており、大半の受験生はなんとかなっていません(土地家屋調査士試験の合格者は例年400人くらいです。択一式は得点率9割を下回ると累計400人以内に入れなくなります)。しかも、この6割弱の中には受験1回目ではない受験生もたくさんいると思うので(受験生の6割弱が今年初めての受験です、という試験ではないので)、9割以上取らないと話にならない択一式で、何年か勉強しても合格基準点(得点率6、7割)すら取れないというのは、ままあることだと思います。何か無謀なことに挑戦しようとしているのでもなければ予備校講座を利用したほうが安全です。


もし東京法経学院の「教材学習タイプ」(教材だけがもらえるタイプ)を選ぼうとしているなら、そこにほんの少しお金を足して、解説講義付きの「DVDタイプ」や「WMVダウンロードタイプ」を選んでみませんか?

民法なしコース」ならさらにグッと値段が下がるため、思い切って民法はこのページの下のほうで紹介している問題集2冊で済ませることにして、「民法なしコース」の「DVDタイプ」や「WMVダウンロードタイプ」を選んでみませんか?

正規の手段を踏んでいれば何も悩むことはなく自分が正義だと言い張れるのに、独学を選んでしまうとネット上のいろいろなうわさに惑わされ、悩みを抱え込んでしまうことにもなりかねません。予備校講座を利用することで手に入るものは、なにも書籍や講義DVDだけではなく、自分が正義の官軍であるという絶対の自信、錦の御旗も含まれているのです。


以上の通り、実はかなり困難な道だとは思いますが、個人的には独学でも約30年分の過去問を完璧にすれば民法、土地家屋調査士法で1点も取れなくても、合格基準点(得点率6、7割)付近の点数は堅いと思います(たぶん。できない人にしてみれば、やってたまたまできた人から「やればできる」と言われているようなものですが……)。合格のために必要な、あと2、3割の上乗せは、六法の読み込みと民法で何点取れるかにかかっています。

一番手っ取り早いのは民法です。民法は満点取りましょう。土地家屋調査士法と、不動産登記法の筆界特定及び電子申請の部分は六法を読みましょう。

択一式の過去問

次に紹介する「分野別の過去問題集」と「年度別の過去問題集」が必要です。

分野別の過去問題集のおすすめは両方とも購入することです。土地家屋調査士試験の勉強をしている人のブログなどを読むと、目端が利く彼らは、もう過去問題集は「択一過去問マスターⅠ・Ⅱ」と「新・合格データベース」を両方とも購入している人が増えてきていると思います。はじめの1冊に「新・合格データベース」を選んでいる人もいますが、「択一過去問マスターⅠ・Ⅱ」だけでは知識に不安を感じて2冊目の過去問題集として「新・合格データベース」に手を出すという経緯を踏んでいる人が多いです。


分野別(問題ごとに分野別)。平成元年〜平成29年度(29年分)の過去問+昭和の重要問題を収録。B5判。昭和の重要問題は私が持っている第四版の時点では17問収録されていました。メインは平成です。この過去問題集は新しい過去問を付け加えたものが毎年は出版されていないため、購入する版によっては新しいほうの過去問が収録されていないことがあり、その分は毎年出版されている「日建8年分の分野別過去問」や「1年分の過去問題集」「月刊誌 不動産法律セミナー12月号(試験問題とその解説が掲載される号)」等で補う必要があります。


新・合格データベース

肢別(肢ごとに分野別)。昭和41年度〜平成30年度(53年分)の過去問を収録。一般の書店では販売されていない教材です。東京法経学院の公式サイトから購入できます。B5判。6分冊のため「択一過去問マスターⅠ・Ⅱ」と比べると持ち運びやすく、また改訂スピードが速いので、比較的新しいほうの過去問まで収録されていることが多いのが特徴です。本書は肢別の過去問題集ですが、1問ずつ問題を解く練習は、時間配分を考えるために使う、この1つ下で紹介している「年度別 過去問解説集」でも行えるため、普段の勉強に使う分野別の過去問題集は、肢別のものを選んだほうがタイプが被らないので良いかもしれません。

「新・合格データベース」は第十版の時点で、同旨のものをまとめて1問として計3,141問を収録とのことなので、肢別のものとそうでないものの収録年数に29年分と53年分という違いはあるものの、それほど量が多くて解くのに時間がかかるというわけではないようです。「択一過去問マスターⅠ・Ⅱ」は表紙に収録問題数が書いてあり、第六版の時点でⅠ・Ⅱ合計で533問、これに平成30年度の20問を加えると553問、1問5肢と考えると全部で2,765肢となり、「新・合格データベース」との差は376肢(5肢1問と考えると約75問、年に20問出題と考えると概ね4年分)です。

29年分(に補充用過去問1年分を足した30年分+昭和の重要問題)と53年分と言われるとすごく差があるように見えますが、問題量の差は実質4年分なのですね。たった4年分多く問題を解くだけで、差の(昭和の重要問題のことを考えなければ)23年分の過去問を解いたことになるという、コストパフォーマンス抜群の過去問が「新・合格データベース」なのです。

9割以上取らないと話にならない択一式で受験生の6割弱(一体、何年勉強しているのだろう?)が6、7割未満の点数を取っている中、書店で誰でも入手できる市販の29年分の過去問題集を使っている人に対して、手っ取り早く差を付けられるのが直販教材の53年分の過去問題集の購入です。すでに「択一過去問マスターⅠ・Ⅱ」を持っている人がもう少しレベルアップしたいと思ったときにも、ぴったりの過去問題集だと思います。


年度別 過去問解説集【平成17年度〜平成28年度】

平成17年度〜平成28年度(12年分)の過去問を記述式も含めて年度別に収録。要は本試験形式の過去問題集です。分野別の過去問題集を解くだけでは、自分が1年分の過去問を解くのにどのくらいの時間がかかるかが分からないため、時間を計って年度別の過去問題集を解くことで、自分の問題を解くスピードを調べることができます。その結果、自分がもし択一式の問題を全部解くのに1時間くらいかかるなら、肢を何個か読まずに問題を解いていったほうが良いかもしれません。そういう判断のために必要になる過去問題集です。分野別の過去問題集では再現できない1年分の過去問を解く感覚がつかめます。

年度別の過去問題集を時間を計って解いてみて、自分が何をするのにどのくらいの時間がかかるかを把握しておくことは大切なことです。その時間を参考にすれば、記述式にあてる時間を逆算することができます。


試験時間は2時間30分です。この時間内に択一式(20問)→記述式(土地)→記述式(建物)の問題を解く必要があります。そのため、たとえば記述式の建物の問題を解くのに1時間かかるなら、試験が終わる1時間前には記述式の建物の問題を解き始めなければなりませんし、記述式の土地の問題の図面を書くのに30分かかるとしたら、試験の残り時間が1時間30分になる前には地積測量図を書き始めなければなりません。

そして土地の問題の図面以外のところを全部書くのに30分かかるとしたら試験の残り時間が2時間になる前には記述式の土地の問題に取り掛かる必要があり、択一式に充てられる時間は残りの30分のみとなります。

さて、自分は1年分の択一式の問題を30分で解けるでしょうか? 年度別の過去問題集を解かないと自分が何分で1年分の択一式の問題を解けるかという情報を知ることができません。そのため、試験本番では少々無理をしてでも急いで択一式を解かないとまずい等の対策を事前に立てることもできません。


なお、1年分の択一式の問題を解くのに、あまりにも時間がかかるようなら(たとえば1時間くらいかかるようなら)、それは勉強不足であることを意味していると思います。年度別の過去問題集を解くことで、このように様々な発見があり、自分の問題を解くスピードを調整したり、自分の勉強量を修正したりするというチューニング作業に使える過去問題集が本書です。独学者は予備校利用者と違って勉強上の問題をすべて一人で発見して解決していかなければなりませんので、特に独学者に必要な過去問題集と言えるでしょう。

試験直前に分野別の過去問題集を最初から最後まで解く時間がないときに、どこか1年分の過去問題集だけを解いてみる、という使い方もできます。短期間で全分野の問題をバランス良く解くことができないのは分野別の過去問題集の欠点だと思います。年度別の過去問題集なら全範囲から幅広く集められた問題で構成される毎年の試験問題を少しずつ(1年分ずつ)解くことができます。

択一式の過去問題集のまとめ

択一式の過去問題集は次の3種類です
  • 土地家屋調査士 新・合格データベース

    最初の1冊、あるいは「択一過去問マスターⅠ・Ⅱ」だけでは知識に不安を感じる方の2冊目の過去問題集です。50年分以上の過去問を収録しており、他の受験生を出し抜きたい方におすすめです。

  • 土地家屋調査士 年度別 過去問解説集【平成17年度〜平成28年度】

    ①チューニング用、②試験直前に短期間でバランスよく様々な問題を解く用、あるいは③他サイトでよく見る「択一式なら独学でも過去問10年分やれば〜」派の人向け。「10年分」と言われても、10年分の過去問題集は一般の書店では販売されておらず、約30年分や50年分以上の分野別の過去問題集の中から10年分の問題だけを解くのは難しいため、もし10年分の過去問を解くなら、この年度別の過去問題集の2年分と、毎年発売されている「日建学院の直近8年分の分野別過去問題集」を使うことをお勧めします。

    分野別8年分+年度別2年分ということで、分野別の過去問題集を繰り返し解いた後に、年度別の2年分以上の過去問で実力試しができるため、案外、良い勉強方法なのかもしれません。

ただし、個人的には「8年分の過去問」と「約30年分の過去問」がある中で8年分の過去問を選ぶ人は、約30年分の過去問で勉強した人に負けてしまうと思います。これと同じことが「約30年分の過去問」と「50年分以上の過去問」の間でも起きているかもしれません。要は相場から外れてしまうとまずいのです。もし合格者の多くが50年分以上の過去問を解いているなら、それが相場ですから、合格を目指す受験生は50年分以上の過去問を解くしかありません。50年分以上の過去問題集を持っていない予備校利用者でも、答練で古い過去問の焼き直し問題を解いたりしていて約30年分の過去問を超える知識を持っているかもしれません。

ただし、分量が多いものを選ぶと、すべてを正確に把握しきれなくて混乱しやすくなるという欠点もありますし、もしかすると約30年分の過去問題集でも用が足りるかもしれませんので、個人的には最初は「約30年分の過去問題集」を選び、2冊目の過去問題集として「50年分以上の過去問題集」を購入することをお勧めします。

そして相場のことを気にするなら、月刊誌「不動産法律セミナー」の合格者アンケート調査によると土地家屋調査士試験の合格者の9割強は受験指導校を利用しているため、独学よりも予備校講座の利用をお勧めします。いわば独学というのは、合格者の皆が約30年分の過去問題集を解いている中、自分だけは8年分の過去問題集を解くだけで試験に合格しようとしているようなものなのです。皆が関数電卓で試験問題を解いている中、自分だけはそろばんで試験に合格しようとしているようなものなのです。そのままでは話にならないため、試験に合格するために予備校講座を利用するのは仕方がないことだと思います。

みんなが選んでいる東京法経学院とアガルートアカデミーの通信・通学講座

  • アガルートアカデミー「入門総合講義╱入門総合カリキュラム

    とにかく安いです。東京法経学院の講座でも場合によってはそうなのですが、土地家屋調査士試験というのは独学を選ぶよりも予備校講座を利用したほうが安くつく試験です。お金と時間に余裕がないなら独学はお勧めしません。予備校講座を利用しましょう。

不動産登記法(戻る

どんなに択一式の勉強をしても、記述式の登記申請書や添付図面は書けません。書けるのは「登録免許税の金額」と「申請人欄や所在欄等の問題文を書き写すだけで済む場合もあるところが、そのケースに該当するとき」くらいです。

一方、記述式の登記申請書や添付図面のことがよく分かっていると、択一式の勉強だけでは理解しにくかったり、覚えにくかったりする択一式の肢の正誤が簡単に分かることがあります。どちらかというと記述式(登記申請書と添付図面のみ。座標値の計算、作図、論述は除く。以下同じ)の勉強のほうが択一式に応用が利きます。

そのため「記述式の勉強はまだしていないけれど、択一式には自信がある」というのは本人の勘違いだと思います。記述式の勉強をしていないなら択一式の理解もまだ不十分だと思います。そのため、過去問を繰り返し解いて「なんとかなったかどうか」が判明するのは、「択一式の過去問を何度も繰り返し解いた後」ではなく、「択一式と記述式の両方の過去問を何度も繰り返し解いた後」になります。

そのため、テキストや過去問題集は択一式のものと記述式のものを両方とも購入するまでは見切りをつけることができません。択一式の勉強だけをして、そこで勉強が上手くいかなければ受験をやめるという選択肢はないものだと思ってください。もともと択一式の勉強だけでは、上手くいくわけがないのです。予備校のほうでも択一式を完全に終わらせてから記述式へ、という指導はしていません。

前述したとおり、土地家屋調査士試験は択一式だけでも基本的には「なんとかならない」(受験生の6割弱は9割以上取らないと話にならない択一式で6、7割未満の点数を取っている)上に、なんとかなったかどうかが判明するのは、択一式の勉強が終わったときではなく、記述式の勉強も済んだときとなり、気の長い話になります。

年単位の勉強をして、やっとの思いでたどりついた先が択一式6、7割未満ではがっかりすると思いますし(しかし、受験生の6割弱はここに入ります。この6割弱は一体、何年勉強しているのだろう?)、仮に独学で2、3年勉強するだけでも20万円弱(うち大半は書籍費)が必要になることを思うと、個人的には最初から予備校講座を利用したほうが、悪い結果の回避だけではなく、時間とお金の節約にもなり良いと思います。

勉強にかかる初期費用は、独学者でも予備校利用者でもほぼトントン、場合によっては予備校を利用したほうが安いくらいなのですが、月刊誌「不動産法律セミナー」の、受験指導校利用者が9割強を占める合格者アンケート調査の結果によると、土地家屋調査士試験の合格者の約半数は実質2年以内の勉強をして3回以内の受験で試験に合格しており、10年以上受験料(1回8,300円。10年で8万3,000円)や六法(1冊5,400円。10年で5万4,000円)、三角定規(2枚1セットで約3,000円。目盛りが消えるため何度も買い替え必至)等にお金を使っても、なかなか試験に合格できない独学者と比べると、独学よりも予備校講座を利用したほうが時間的にも金銭的にも安く済む可能性が高いです。予備校を利用した合格者の大半は10年分の受験料や六法、三角定規等にお金を使う前に試験に合格してしまうため、予備校利用者が答練講座を利用することを考えても金銭的には独学者とトントンです。

どちらを選んだほうが良いかは一目瞭然のため、賢い受験生はみんな予備校講座を利用しています。当サイトでも測量士補試験の本は何百冊も売れているのに、その試験後1か月以内の間に土地家屋調査士試験の本を買う人はほぼいません。2019年は直販教材が2つ売れたのみでした(注文日5月21日と6月6日の2つのみ。なお市販の本は0でした)。誰も独学なんて選んでいないようなのです。独学を選んでいるのは古本屋で中古本を買っている貧しい人くらいだと思います。測量士補試験の本を通販で買う人は、もし独学を選ぶとしても土地家屋調査士試験の本は直販教材を買っています。きっとそういう人が独学で土地家屋調査士試験に受かるのでしょうね。

おすすめ講座一覧
みんなが選んでいる東京法経学院とアガルートアカデミーの通信・通学講座

  • アガルートアカデミー「入門総合講義╱入門総合カリキュラム

    とにかく安いです。東京法経学院の講座でも場合によってはそうなのですが、土地家屋調査士試験というのは独学を選ぶよりも予備校講座を利用したほうが安くつく試験です。お金と時間に余裕がないなら独学はお勧めしません。予備校講座を利用しましょう。

区分建物攻略の糸口(戻る

私は択一式攻略のカギは言葉の意味を知ることだと思います。まずは分筆、合筆、分割、合併、合体等の言葉の意味を知ることです(とりわけ建物に関しては表題部変更との違いをよく考えること)。総論の「職権登記」の問題が参考になると思います。

特に各論の区分建物の問題はこの効果が顕著で、「共用部分」「共有・準共有」(この2つは民法の言葉。共用と共有は言葉が似ているので戸惑うと思う)、「分有」(言葉だけでは意味が分かりにくい。テキストに載っている絵を見ると分かる)、「敷地権」「みなし規約敷地」「分離処分可能規約の設定 or みなし規約の廃止」「法定敷地」「規約敷地」「法定共用部分」「規約共用部分」「のみ付記」「特定登記」などの言葉の意味が分かるとすごく楽になります。

筆界特定・電子申請(戻る

不動産登記法の筆界特定の部分は、比較的新しい分野のため過去問の量が少なく、新出の肢が出る可能性が高いため、先例・判例付きの六法を読んだほうが良いと思います。

筆界特定の条文

  • 不動産登記法123条〜150条
  • 不動産登記規則206条〜241条

東京法経学院の「土地家屋調査士六法」は、不動産登記法の条文だけを載せているページと、条文と一緒に先例も載せているページの2つがあり、後者のほうで先例と一緒に条文を読むことができます。

電子申請の条文

  • 不動産登記令10条〜14条
  • 不動産登記令附則5条
  • 不動産登記規則41条〜44条
  • 不動産登記規則附則21条〜25条

電子申請も筆界特定と同じように比較的新しい分野だと思うので新出の肢が出やすいところだと思います。

私の思う過去問を解く意味(戻る

  • 知識を蓄える。
  • 記述式の論述問題の対策(択一式の勉強は、記述式の論述問題を解くときに役に立ちます)。
  • 似ている肢同士を比べてみる(比べて違いを理解したり、共通点や類似点を探し出して1つにまとめてみたりする)。

過去問は暗記をするだけも意味はありますが、一番良いのは理解も追いついていることです。文系は作者の気持ちでも考えてろとよく馬鹿にされていますが、作者の気持ちが分かるのはとても良いことです。知らない問題が出ても類推して解けるようになります。

たとえばどういうときに登記識別情報が通知されるかは、それがテキストや過去問のどこにも直接は書かれていなくても(実際のところ、私が使ったテキストには条文を書き写す形で「申請人自らが登記名義人となる場合」と、ほかには何の説明もなく、この一文だけですが書かれていましたが)、過去問を何度も解いていれば、そのうち気がつくと思います。

それは所有権の登記がある、土地の合筆や建物の合併、合体をしたときです。この3つは所有権の登記があればすべて登記識別情報(登記済証)を添付する登記です。登記識別情報(登記済証)を添付する登記をする場合には、登記識別情報が新たに通知されるのだろうかという予想がなんとなくつくと思います。

そういうところから予想が始まって、それがもっと抽象的になっているのが六法です。実際には不動産登記法21条で「その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合」に登記識別情報が通知されるとなっています。というのも、所有権の保存登記をするときはまだ登記識別情報(登記済証)を持っていないのに登記識別情報が通知されるため、それとの整合性を考えてさらに共通点を探し出してみるとそういう条文になるのです(たぶん。しかし、分筆、分割をするときにも申請人自らが登記名義人になるのではないかと思うと不思議な条文ですが……。もしかすると住所証明書を添付するケースと同じように、申請人自らが新たな登記名義人として登場する場合に限定されているのかもしれません……)。

さすがにこんなところまで一人でたどり着くのは難しいかもしれませんが、ある程度までは自力で抽象化していけるはずです。そして抽象的なことが分かっていれば、それを具体例に当てはめるだけで答えが出るようになります(いちいち分筆のときはこうで、合筆のときはこうで、合体のときはこうで……と覚えておかなくても、とりあえずは「登記識別情報(登記済証)を添付する登記」に当てはまるかどうかを考えれば答えが出ます。たぶん)。

そのため覚えておかなければならないことが少なくなりますし、新出の肢に対する対応力も上がります(過去問と同じ考え方で解けるという意味では、もはや新出の肢とは言えないかもしれません)。ほかにも電子申請のスキャナ関係の問題や、保存期間の問題にも、分かりやすくこういうところがあると思います。

この登記識別情報の例のように、そもそも知っておいたほうが良いことがテキストや過去問題集に載っていないケースも多いため、テキストや過去問を丸暗記さえすれば良いと思っている人は、独学には向いていないと思います。また、これから独学で勉強を始めようという人が、おすすめの勉強方法は? おすすめのテキストは? と人におすすめを尋ねようとすることは自信のなさの表れだと思います。そういう人は独学ではなく、合格に必要な情報をすべて提供してくれる予備校講座を利用して安心、安全に勉強することに向いており、そのほうが成果も出ると思います。

おすすめ講座一覧
おすすめ東京法経学院とアガルートアカデミーの通信・通学講座

  • アガルートアカデミー「入門総合講義╱入門総合カリキュラム

    とにかく安いです。東京法経学院の講座でも場合によってはそうなのですが、土地家屋調査士試験というのは独学を選ぶよりも予備校講座を利用したほうが安くつく試験です。お金と時間に余裕がないなら独学はお勧めしません。予備校講座を利用しましょう。

六法の利点(戻る

  • 六法は抽象的なことを知るための材料になります。たとえば上述した私の登記識別情報に関する推測で言うと「登記識別情報(登記済証)を添付する登記をする場合に登記識別情報が通知される」という1度目の抽象化の時点では、中途半端な抽象化になっていました。正解は六法に書いてありました。
  • 過去問を解くだけでは納得できない肢の理解に役立つことがあります。ネット上にはよく、過去問で分からないところがあればテキストから、その箇所が解説されているところを探し出してそこを読むと言う人がいますが、その方法をとるためにはテキストと過去問がリンクされているような教材を使わないとテキストの中の読みたい個所を探すのに手間がかかります。一方、根拠条文なら、たいていの過去問に掲載されているため、比較的早く検索できます。
  • 六法は網羅性、一覧性に優れています。そのため、地番の定め方や地目、家屋番号の定め方、合筆制限等をまとめて確認することに適していると思います。過去問だけだと複数のページに散らばっているため、一目で確認するのが困難ですし、過去に出題実績のない条文に関しては確認することができません。
  • 何かを思い出したり、確認したりするための手段が1つ増えます。たとえば勉強中に「移記」と「転写」の違いを忘れてしまっても、それが「規則5条」に載っていたことを覚えていれば、すぐに六法を引いてその違いを確認することができます。
  • たまたま目に入った目的外の、自分が見ようとはしていなかった過去に出題例のない条文や先例が試験に出たりすると、得したなーと思うことがあります(ただし、不登法は過去問を解けばそこそこ点が取れるようになるので、筆界特定や電子申請以外の新出の肢対策で六法を読むのはお勧めしません)。

六法を買い替える利点(戻る

  • 六法は複数あると便利です。なぜなら不動産登記法は不動産登記法という法律だけで成り立つものではなく、不動産登記令(政令)、不動産登記規則(省令)、不動産登記事務取扱手続準則(通達)の3つと密接に関わっており、1冊の六法の中にある、かなり離れたページ同士を行ったり来たりしながら関係ある条文を読んでいくことが不動産登記法の勉強になるからです。
  • 要はもし「建物の種類」の勉強をするなら、不動産登記44条(建物の表示に関する登記の登記事項)、不動産登記規則113条(建物の種類)、不動産登記事務取扱手続準則80条(建物の種類の定め方)の3つを読む必要があり、六法が1つしかないとページを行ったり来たりしなければならないのですが、もし六法が3つあるなら、法、規則、事務取扱手続準則それぞれのページを開いて一目ですぐにこの3つの条文を読むことができるのです。
  • 六法は複数あると便利ですが、勉強1年目に同じ六法を3冊買ったりはせず、毎年1冊ずつ購入したほうが良いと思います。なぜなら勉強1年目でまだ勉強が十分に進んでいない状況では、試験勉強は過去問の内容を条文3つを見つめながら厳密に理解することではなく、大まかに理解することが中心になると思いますし、六法を毎年1冊ずつ購入していくことで法改正や先例改正に対応することもできるためです。六法は毎年1冊ずつ買いましょう。

コンメンタールの利点(戻る

「不動産登記法 政省令逐条解説」のことです。この本は「六法」ではなく「コンメンタール」と言われる本です。コンメンタールは条文を載せて、それを1条ずつ解説していく書籍です。この本は不動産登記法のコンメンタールのため、不動産登記法の条文を1条ずつ解説しています。不動産登記法関係の政省令も関連条文ごとにばらして各所に載せていますが、政省令のすべての条文を掲載しているわけではないため、六法の代わりにはなりません。普通のテキストと比べると一般的にはコンメンタールのほうが網羅性が高く、辞書的な使い方をされることが多いです。

  • 少し上に書いた不動産登記法21条(登記識別情報の通知)の話の続きになりますが、実はここは法21条の勉強だけではまだ不十分です。実は規則62条にも法21条に関係する大事なことが載っています。コンメンタールは解説する条文に関係する条文も一緒に載せていることが多いため、そういう関連条文の存在を知ることができます。
  • 私が使っていたテキストには不動産登記法21条に関しては何の説明もありませんでしたが、コンメンタールはすべての条文に解説を加えているため、一般的なテキストよりもカバーしている範囲が広いです。これはテキストと比べると解説から逃げられにくいという利点になります(試験に出にくいとか、解説が面倒だとか、著者の苦手な部分だからと言って解説を省くことができない)。
  • 六法は複数あると便利ですが、同じものを同時に何冊も買うことに抵抗がある方もいると思いますので、六法を2冊買うのではなく、六法とコンメンタールの2つを使うという選択肢もありだと思います。
不動産登記法のコンメンタール

本書は目次の次のページに「収録政省令一覧」という索引のページが付いており、政省令から条文を逆引きすることもできるようになっています。ネット上では、過去問を解く際には条文を引けとよく言われていますが、もし条文を引くなら普通の六法よりもこちらのコンメンタールを使ったほうが関連条文を知れて役に立つことがあります。ただし、すべての政省令を掲載しているわけではないため、当然漏れ(目的の政省令の条文が見つからないこと)もあると思いますし、不登法の条文に関しては、普通の六法のほうが先例・判例付きのため、場合によってはそちらを引くほうが便利なこともあります。そのため、関連条文はコンメンタールで、先例・判例は六法で確認することになり、それぞれ役割が違います。コンメンタールは特に予備校で関連条文の存在を教えてもらえない独学者には必須の教材になると思います。

土地家屋調査士法(戻る

得点したいなら過去問を解くだけでなく、先例・判例付きの六法を読んだほうが良いと思います(土地家屋調査士法、土地家屋調査士法施行規則の2つを先例・判例含めて、施行規則の第2章「土地家屋調査士試験等」以外のところを全部読む)。もし1人で条文を読み進めて理解していくことが困難ならコンメンタールを購入してください。

土地家屋調査士法のコンメンタール

ちなみにテキストは一切読む必要がありません。そこに書いてあることはすべて六法にも載っているためです。そのため、土地家屋調査士試験専用のテキストを購入する際に土地家屋調査士法の収録がどうなっているかは気にする必要がありません(中・上級者対象テキストの「NEW 4WDノート -4KU-NOTE-」は土地家屋調査士法が未収録。中・上級者ともなれば、土地家屋調査士法の勉強にテキストはいらないことをもうみんな何となく分かっていますよね?)。

民法(戻る

私のおすすめの勉強方法は「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 民法Ⅰ・Ⅱ」の総則、物権、家族法の問題を解くことです。民法のテキストも土地家屋調査士試験専用のものは必要ないと思います。この問題集の問題を繰り返し解けば2〜3問は取れます。民法は過去問すら何度も解く必要はないと思います(出題傾向を知るために解く必要はあると思います。たとえば総則、物権、家族法の中にも解かなくても良い分野や問題はあると思います)。

受験100講Ⅱ」(民法のテキスト)を1冊買うよりも、この本2冊を購入したほうが安いです。リンク先で両方の書籍の値段の差を確かめてみてください。おまけにこの本は行政書士試験の民法の対策にもなります。土地家屋調査士試験の合格後に行政書士試験の勉強をしようとしている人もたぶんいると思います。

最低限必要な本の冊数を数えてみた(戻る

択一式の勉強に最低限必要な本の冊数を数えてみました。いかがでしたか?

冊数を数えてみた
勉強開始前に読む本(2冊)
択一式
直販教材優先 市販本優先
テキスト8冊(NEW 4WDノート -4KU-NOTE-1冊(受験100講Ⅰ
分野別過去問6冊(新・合格データベース2冊(択一過去問マスター
補充用過去問1冊
(単年度版1冊を想定。勉強を始めた年によっては、改訂の狭間の期間のため、もっと必要になることがあります。私は受験1回目までの間に3年分の過去問を購入しています)
年度別過去問1冊
土地家屋調査士 年度別 過去問解説集【平成17年度〜平成28年度】。チューニング用)
六法1冊
六法は法改正、先例改正に備えて、毎年新しいものを購入します)
コンメンタール2冊
(「不動産登記法 政省令逐条解説」と「土地家屋調査士の業務と制度」)
民法の問題集2冊
(新スーパー過去問ゼミ5 民法
直販教材優先 市販本優先
合計 23冊+α 12冊+α

「+α」は勉強2年目以降の補充用過去問と六法のことです。毎年それぞれ1冊ずつ増えていきます。10年後に六法10冊、補充用過去問10冊を手元に残して不合格……という未来はとても悲しいため、やはり個人的には予備校講座を利用したほうが良いと思います。

ちなみに本気で宝くじ1枚で一等を当てる気なら上記の表の中の「(択一式約30年分、記述式約40年分の)分野別過去問」と「六法」と「民法の問題集」を買ってください(全7冊。民法の勉強をしないなら全5冊)。それだけあれば受かる人は受かると思います。そういう意味でこのページの冒頭にもテキストは「絶対に必要なもの」ではないと書きました。とはいえ、ネット中を探しまわっても、独学で土地家屋調査士試験に合格してサイトを作っているのは、平成19年(2007年)度合格の方が1人見つかるくらいです。今2019年ですから、ほかに閉鎖した独学合格者のサイトがなければ、彼は十数年に1人レベルの逸材です(独学で合格したことがすごいのはもちろん、長年の間、独学で勉強を始めようとしている人たちの窓口になってきたという実績がそういう逸材にさせた何よりの理由ですが)。ましてや、たった7冊の本で試験に合格するなど蜃気楼で夢物語の蛮社の獄かもしれません。

ちなみに記述式の勉強に使う本や誌上模試などを含めた試験全体の勉強に最低限必要な本の冊数は、直販教材優先なら勉強1年目は合計33冊、勉強2年目はそこに4冊足して合計37冊になります。合格が遅れるたびに毎年4冊(補充用過去問、六法、合格者アンケ、誌上模試の計4冊)が増えていきます。

ただし、これだけだと本当に必要最低限のため、勉強がスムーズに進まなかったり、心もとなさを感じたりすることもあると思います。本を何冊買おうとも、なかなか一人の人間の(先生の)代わりにはならないと思います。予備校利用者がどうして少ない書籍(たとえば東京法経学院の「新・最短合格講座」なら40冊程度)で勉強できるのかといえば、それは予備校のバックアップがあるためです。何の後ろ盾もない独学者が、予備校利用者が持っている書籍の数を下回るような必要最低限の書籍だけで勉強するとなると、思うように勉強が進まなくても不思議ではないと思います。

いろいろな予備校をはしごしている合格者ともなると、まとまった数の講座利用者専用のオリジナルテキストを何度も入手しており、それでもなお誰でも購入できる市販の書籍にまで手を出している人もおり、もし独学を選ぶなら、少しでも彼らとの差を縮めるために、少しでも多くの書籍を購入することになるため、とてもお金がかかると思います。

その他の書籍(戻る

択一式の勉強の中でも特に分かりにくい筆界特定制度や敷地権・区分所有法に関しては、その勉強だけに特化した安価なテキストが出ています。毎年いろいろな予備校をはしごするのが金銭的に無理な方でも、自分のできる範囲でより多くの書籍や予備校の短期講座などを購入し、より良い学習環境を作ってほしいと思います。

ここまでこのページを読んできて、まだお金と時間のかかる独学で土地家屋調査士試験を受けようとしている人、これが最後のチャンスです(もうこのページは終わりだから)。最後にせめてもう一度、あなた以外の多くの人たちがどんな勉強をしているか相場を知るために、各予備校の公式サイトをもう一度見てみませんか? どの予備校もみんな自分のところの講座を利用してもらいたくてたまらくて、いろいろ考えてサイトを作っていますので、予備校を利用する気がなくても、せめてそのサイトくらいは一度見てみませんか?

おすすめ講座一覧
みんなが選んでいる東京法経学院とアガルートアカデミーの通信・通学講座

  • アガルートアカデミー「入門総合講義╱入門総合カリキュラム

    とにかく安いです。東京法経学院の講座でも場合によってはそうなのですが、土地家屋調査士試験というのは独学を選ぶよりも予備校講座を利用したほうが安くつく試験です。お金と時間に余裕がないなら独学はお勧めしません。予備校講座を利用しましょう。