ニンニクとジャガイモは大量の肥料が必要な野菜
私が近所のホームセンターで購入した化成肥料8-8-8は、元肥として使う場合は1平方メートルあたり152グラムの使用が目安とされていました(1坪あたりの目安を1m2あたりに直してここに表示しているため中途半端な数字なります)。そのため元肥として1m2あたり約150グラム以上の肥料を使う野菜は、この一般的な目安よりも多くの肥料を使う野菜だと思います。このページでは私がネット上で見つけたそういう野菜を紹介していきたいと思います。
ジャガイモ
ジャガイモの元肥は1m2あたり500gとされています。というのもジャガイモの栽培方法を教えるサイトではジャガイモの元肥は株間に1つかみ与えると書かれていることが多く、また、化成肥料を与える際の目安として1つかみを100g程度だと言っている方が多いためです。YouTubeには1にぎり50gで2にぎり分を入れるという方もいました(どちらにしても株間に100gの肥料を入れていることに変わりはない)。園芸関係の商品によっては「この肥料は女性の手で1にぎり〇g程度です」と書かれており、実際のところ1つかみや1にぎりで何gになるかは手の大きさにより異なるようなところもあると思います。個人的には1つかみ100gはかなり手が大きい方でないと無理だと思います。私の手だと1にぎり50g、1つかみ70g~80gくらいでした。
それでどうして株間に100gだと1m2あたり500gの元肥を使うことになるかというと、ジャガイモの栽培方法を教えるサイトで紹介されている一般的なジャガイモの栽培方法、つまり畝幅60センチ、株間30センチでジャガイモを1条植えする場合、60センチ×180センチ=10800平方センチメートル=1.08平方メートルにジャガイモを6株植えて株間に肥料を1つかみずつ入れると合計500gになるためです。また、切断面には有機肥料の草木灰も使います。芽かき時と2回目の土寄せ時に追肥も行います。そもそも元肥を入れる前に堆肥も入れています。
ジャガイモはすごくたくさんの肥料を使う野菜です。
晩生のジャガイモは春植えに向かない
秋ジャガの種芋としてよく販売されているデジマ(中晩生)などを春植えすると、株が枯れるのが遅くて次の栽培に進みにくくなります。早く次の栽培に移れるという意味では、春植えの種芋は早生のジャガイモ(男爵、キタアカリ、十勝こがね等)が適していると思います。枯れる早さでいうと私がこれまで育てたことがある中で一番早かったのはインカのめざめ(極早生)です。次に男爵、キタアカリが枯れます。その後メークイン(中生)が枯れます。デジマはその後です。
ジャガイモの重さ
内閣府のPDF「国内生産のみで2,135kcalを供給する場合の食事メニュー例」を見るとジャガイモは昼食に0.5個で84g、夕食に1.5個で168gを食べるとされており、農水省のPDF「国内農地のみで食料を供給する場合の一日の食事メニュー例」(PDF9ページ。右下に書いてある通し番号だと25ページ)によると朝食にジャガイモ2個で300g、昼食にジャガイモ1個で150gを食べるとされており、内閣府はジャガイモ1個を168gや112g、農水省はジャガイモ1個を150gと考えているようです。ちなみにサツマイモは内閣府のPDFだと1本約112g、農水省のPDFだと1本100gとされています。サツマイモよりもジャガイモのほうが重くなる傾向にあるようです。同じ畝で作ったジャガイモとサツマイモを比べてみたときに、もしサツマイモのほうが重くなるようなら、それは肥料が少なくてジャガイモにとっては肥料が足りていないのかもしれません。
PDF掲載のサツマイモの絵はサイズが100gに見えない
私はサツマイモの重さを量ったことはありませんが、ジャガイモの重さは栽培1、2年目の頃はよく量っていたためジャガイモの重さとそのサイズ感を参考にして語りますが、縦21、横6の比率で縦のほうが3.5倍長いのに1本100gのサツマイモの太さは、大げさに言うとたぶんゴボウに近いと思います。ちなみに実物の100g(140kcal)のサツマイモの画像はこちらです(「生活知恵袋」という名前のサイトのサツマイモのページに移動します)。この100gのサツマイモの紹介の1つ下には1枚約50g(約70kcal)の輪切りにされたサツマイモの画像も掲載されています。それが2枚で約100gです。農水省のPDF「国内農地のみで食料を供給する場合の一日の食事メニュー例」(PDF9ページ。右下に書いてある通し番号だと25ページ)に掲載されている1本100gのサツマイモの絵を見てスーパーで売っているような立派なサイズのサツマイモを1本食べられると思っていたら大間違いです。
ニンニク
ニンニクはもっとすごいです(ニンニクはジャガイモと比べると株間、条間が狭いため、同じ1m2当たりでは量が多くても1株当たりの量だとそんなに変わらないかもしれませんが)。ニンニクの元肥は化成肥料8-8-8だと1m2あたり1,250グラム必要とされています。元肥に2回の追肥を加えた施肥全量は1m2あたり2,500グラム~3,125グラムです。というのも化成肥料8-8-8(100g中に窒素、リン酸、カリがそれぞれ8g入っているとネット上でよく言われている肥料)で窒素、リン酸、カリを各200~250グラム入れるとなると2,500グラム~3,125グラムの化成肥料が必要になるためです。私が作ったニンニクが小さかった原因は、肥料の量にあったのかもしれません。
しかし、仮に1m2(1m×1m=100cm×100cm)の畝でニンニクを育てる場合、条間25cmの4条植え、株間15cmで28個くらいはニンニクを植えられるため、1株当たりの施肥全量は、肥料を多く使うとネット上でよく言われているニンニクよりもジャガイモのほうがたぶん多いです。