鶏ふん、牛ふん、バーク堆肥は
同じ商品でも中身が違うし、
別の商品でも中身が同じことがあるが、
施用面積はどれも同じ

同じ袋の同じ商品でも中身が違う

同じホームセンターにある同じ袋の同じ商品でもお店がある地域や時間の経過等により中身は様々です。以下その例。

全部同じ商品
原料肥料の種類袋に大きく書いてある商品名
バーク堆肥40L
(全部同じ商品)
樹皮
(商品の重量は20kg)
たい肥 熟成バークたい肥
(全部同じ商品)
樹皮、植物性有機物
(画像が粗く、重量読み取れず不明)
工場汚泥、樹皮、木くず、食品残さ
(商品の重量は14kg)
汚泥発酵肥料

同じホームセンターにある同じ袋の同じ「熟成バークたい肥」でもお店がある地域や時間の経過等により中身は様々です。「熟成バークたい肥」と書いてあるためバーク堆肥だと思って買ったら、たい肥ではなく汚泥発酵肥料が入っていることもあるくらいです。

袋の絵柄や商品名、価格が違っていても中身は同じ

私の近所では中身が同じで外側の袋だけが違う別の商品がホームセンターAでは税込約300円、ホームセンターBでは税込約400円の値段で販売されていました。同じ生産者の、同じ原料の、同じ内容量のバーク堆肥でも袋の絵柄やそこに大きく書いてある商品名、値段等はホームセンターにより様々です(「肥料取締法に基づく表示」や「生産業者保証票」等の内容は同じです)。

2021年現在、私の周囲の複数のホームセンターで販売されているバーク堆肥は、どれも同じ生産者が生産した同じ名称のバーク堆肥であり、ホームセンターにより外側の袋の絵柄や商品名が違っていても中身は同じです。もしそのバーク堆肥が売り切れれば、外側の袋の絵柄はそのままで、別の近隣の生産者により生産された別のバーク堆肥に中身が切り替わるのだと思います(牛ふんなどはそうなることを近所のお店で確認済み)。バーク堆肥は2022年8月現在いまだ入れ替わったところを見たことがなく、どんな堆肥でも必ず入れ替わるわけではないようです(2023年4月にバーク堆肥の中身が入れ替わっていることを確認)。

このような事情がある場合、ネットでよく言われているような、どこどこのホームセンターのバーク堆肥は質が良い、または悪いということがあり得るのかどうか疑問に思うようなところがありますが(堆肥の良し悪しはホームセンターで決まるのではなく、その堆肥を作った生産者により決まるのではないかと思いますが)、実際のところどうなのかは調べていないため分かりません。そもそも私には堆肥の良し悪しを判断する能力がありません。バーク堆肥を素手で強くにぎると手に黒いシミのようなものが付き、そのシミは水で洗っても取れにくい等の体験談しか話せません。バーク堆肥が持つこのような性質がバーク堆肥にとって良いことなのか悪いことなのかは私には分かりません。


ちなみにホームセンターAでは40Lで税込約300円のバーク堆肥が売り場にある中で、いつの間にか20Lで税込約330円の別のバーク堆肥が入荷されていました。値段が倍以上違いますが、牛ふんなどもお店によっては外側の袋の絵柄は同じ商品(中身、つまり生産者は違う)でも40Lのものが税込約300円、20Lのものが税込約330円と量と値段が逆転しているようなところがありますので、そういうものなのかもしれません。

肥料成分が違っても施肥面積は同じ

中身が変わるということは肥料成分も変わるわけで、牛ふんなどは私の近所のお店では切り替えにより肥料の三要素のうち一番変化が大きいものだと1.5倍程度の差が出るものを見たことがありますが、肥料成分が1.5倍に増えてもその牛ふんが1坪分の堆肥であるという表示に変わりはなく、ネット上では堆肥を入れすぎると肥料過多になるため用法容量を守るべきと言う意見もありますが(化成肥料の袋の裏面にもよくそういうことが書かれていると思いますが)、私は私が購入した牛ふんが1坪分の堆肥とされている根拠がどこにあるかがよく分からなくなってしまいました。

牛ふんの施肥面積

私が購入した40L(12kg)の牛ふんは「菜園・畑で1坪分」とされており、パッケージ記載の「施肥量目安と使用方法」によると、元肥として「1m2当り10~20Lが目安」とされています。そのため、この牛ふんの「菜園・畑で1坪分」(1坪=約3.3m2)というのは、たぶん元肥として使用する場合のことを言っているのだと思います。しかし、画像検索してみると私が購入した牛ふんの2分の1くらいの肥料成分しかない同じ商品の牛ふんでも「菜園で1坪分」とされているものがあるようです。ちなみに追肥としては「1株当り1にぎりが目安」で作物の株間に与え、土をかけるとされています。

鶏ふんの施肥面積

私が購入した15kgの鶏ふんの袋には「元肥で10坪分」と書かれており(追肥の情報は記載なし)、やはり牛ふんや鶏ふんが何坪分の堆肥になるかは肥料成分で決めているように見えますが、堆肥の肥料成分は製造者や原料等により異なるため、それに伴いこれらの堆肥が何坪分の堆肥になるかも変わってくるような気がしますが、実際にはそうなっていないため悩んでいます。

画像検索してみると私が購入した10坪分の鶏ふんと同じ商品で、原料や重量、肥料成分、C/N比がほぼ同じ(違いはリン酸+0.6%、加里+0.1%であることのみ)でも「元肥で5坪分」とされているものがあるようです。ただし、ほぼ同じパッケージの商品でも中身は生産者により異なることがあるため、もしかすると同じ原料の同じ15kgで肥料成分が10坪分のものよりも少し多めの同じ商品でも、5坪分にしかならない鶏ふんもあるのかもしれません。


私の畑は牛ふんを入れると、これまで何をしても6.5程度だったpHが急に7程度に上がっており、pHを上げすぎないという意味でも堆肥の使用量は制限されることになるのではないかと思います。しかし、袋にpHが記載されている堆肥は少ないと思います。pH測定器を買ってきて自分で調べる必要があると思います。ちなみに私の畑では牛ふんを入れて1年程度たった今でもpHは7程度のままで下がっていません。牛ふんを入れなかったところは何も変わらずpHは6.5程度のままです。

私が購入した化成肥料、鶏ふん、牛ふんの施肥量のまとめ

化成肥料の8-8-8などの数字は重量あたりの肥料成分の割合を示しており、たとえば8-8-8の化成肥料を100グラムまくと窒素8グラム、リン酸8グラム、加里8グラムを与えたことになるそうです。ちなみに私の購入した鶏ふん(3.3-2.9-2.4)の投入量の目安は化成肥料(8-8-8)の約3倍、牛ふん(1.8-1.6-2.5)は化成肥料(8-8-8)の約24倍が投入量の目安とされていました(ただし、化成肥料と家畜ふん堆肥は肥効率が違うという話もあるようです。そのため、単純に化成肥料の〇倍分の効果があるというわけではないようです)。

ちなみに堆肥はウィキペディアによると、重金属や抗生物質等の問題があるようです。たとえば厚労省の調査によると2015~2017年度の間に国産の鶏肉の59%から薬剤耐性菌が検出されたそうです。もしかすると有機肥料の有とは、有毒の有なのかもしれません。安心安全な海外産の製品を信頼できる海外の方から買うならともかく、ねつ造、いん滅、改ざんが国技の日本人が作る日本の有機肥料や化学肥料を人に勧めることは、他人に害を与えることに他ならないかもしれません。

たとえば米は産地偽装されており、沖縄県の農産物直売所で沖縄産と偽って販売されていた福島産の米ぬかからセシウム(放射性物質)が検出されたことがあるそうです。腐葉土からも放射性物質が検出されたことがあるそうです。牛ふんも牛のエサが汚染されていて放射性物質が検出されたことがあるそうです。放射性物質のことが気になる方は、安い放射線測定器を買ってきて放射線のチェックをすると安心できると思います。米ぬか以外の肥料や堆肥の放射線もチェックできるようになり、安全性が向上し、安心感が高まります。ペーハー測定器重量計放射線測定器は家庭菜園初心者の測定器具における三種の神器ですよね(どうして初心者向けの器具なのかというと、家庭菜園を何年もやっているとそのうちどうでも良くなってくると思うためです)。

私が購入した化成肥料、鶏ふん、牛ふんの施肥量(1m2当り)
元肥追肥
化成肥料
(8-8-8)
152g

(1坪あたりの目安を
1m2あたりに直して
ここに表示しているため
中途半端な数字なる。
化成肥料の追肥や鶏ふん、
牛ふんの数字もそう。)
91g
鶏ふん
15kgで10坪分
(3.3-2.9-2.4)
C/N比7
455g
化成肥料の約3倍
記載なし
牛ふん
12kgで1坪分
(1.8-1.6-2.5)
C/N比22
3,636g
鶏ふんの約8倍
化成肥料の約24倍
1株当り1握り

鶏ふん、牛ふんは商品により、また、同じ商品でもお店のある地域や時期により中身が異なり、肥料成分や投入量の目安も異なることがあります。

一生分の元肥を畑に入れるという方もいますが、この一生分というのは人間の一生ではなく、野菜の一生を基準にするようです。たとえばこれから家庭菜園を10年やるからといって10年分の元肥をいっぺんに畑に入れてはいけないようです。

化成肥料と堆肥を商品説明どおりに投入すると肥料過多になる?

栽培方法を解説するサイトなどでは元肥を入れる前に産業廃棄物の堆肥を1m2あたり2~3kg入れて、自分の畑を産業廃棄物の最終処分場にしろと言っているケースが多く、元肥として化成肥料のみを使うケースとその前に産業廃棄物の堆肥を投入して自分の畑を産業廃棄物の最終処分場にするケースとで肥料成分の投入量が変わってくると思いますが、後者のケースで化成肥料の投入量を抑えたほうが良いのかどうかが分からず、困ると思います。

上表の元肥というのは、たぶんその商品を単体で使用する場合のことだと思うので、たとえば1m2の畝に1m2分の化成肥料、1m2分の鶏ふん、1m2分の牛ふんを入れた場合、通常の3倍量の元肥を投入していることになります。しかし、栽培方法を解説するサイトを見て「堆肥と化成肥料を畑に入れる」という情報だけが頭に残っていると、堆肥と化成肥料を入れるらしい→堆肥と化成肥料を買ってくる→買ってきた商品の説明によると鶏ふんは1m2あたり元肥として〇〇グラム、牛ふんは1m2あたり元肥として××グラム、化成肥料は1m2あたり元肥として△△グラム入れるらしい→通常の3倍量の元肥投入へ、という行動を起こしやすいと思います。

ただし、元肥と言っても、堆肥の元肥、化成肥料の元肥の2つの元肥が必要で通常の2倍量の投入にはならないという考え方もできると思います(次の項目で紹介するリンク先のカンパニー(家庭園芸のリーディングカンパニー)は、リンク先で、堆肥に含まれる肥料成分は植物の生育に必要な量としては不十分であるとしています。そのため、堆肥の元肥、化成肥料の元肥の2つの元肥が必要という考え方もできると思います)。

堆肥は肥料ではない?

しかし、その一方で「堆肥や腐葉土を肥料だと思っていませんか?(特に堆肥などは名前からして有機肥料のようですが)」という挑発的な言葉もあり、堆肥は肥料ではないという意見もあるようです(ただし、腐葉土など原料が植物由来の堆肥のことを言っているようです。植物由来の堆肥は肥料成分が少ないとよく言われています。たとえばバーク堆肥も三要素が1%未満で肥料成分が少ないです)。堆肥は肥料ではなく、土壌改良材であるという意見です。商品によっては販売元が、いわゆる古い土の復活材や再生材を堆肥として紹介していることもあることを思うと分かりやすい意見だと思います。「一生分の元肥」を「一発肥料」と呼べば数十年分の元肥をいっぺんに畑に入れる方がいなくなるのと同じように、「堆肥」と言わず「復活材」や「再生材」と言われると土壌改良材であることが分かりやすくなると思います。

私が購入した鶏ふんは袋の表面に「田畑の元肥に適した、経済的肥料です」、牛ふんには「植物の生育をささえる大切な肥料です」と書かれており、鶏ふん、牛ふんは肥料のようにも思えますが、実際どうなのかは分かりません。特に牛ふんは原料に植物由来のもの(おがくず、樹皮等)が使われているものもあると思います。牛ふんには土壌改良効果があるという意見も多いです。ただし、鶏ふんのほうはネット上でも「鶏ふんは肥料である(あるいは、肥料として考えたほうが良い)」という意見のほうが圧倒的に多いです。

家畜ふん堆肥には馬ふんもある?

家畜ふん堆肥には馬ふんもあります。私の近所のお店にある馬ふんの原料表記は馬ふん、杉の順でしたが、肥料成分は少なく1%未満で、C/N比は47か49くらいあったと思います。色は茶色でした。馬ふんはバーク堆肥のように肥料成分が少なく、かつ、バーク堆肥よりも分解されにくいようです。馬ふんには軽いため持ち運びしやすいという特徴もあると思います。私の近所のお店にある馬ふん(40L)は、もしかすると15kgの鶏ふんの半分~3分の1くらいの重さしかないのではないかと思うくらいに軽かったです。値段は税込800円弱でした(2022年現在)。鶏ふん税込100円前後、牛ふん税込300円前後、バーク堆肥税込400円前後のため馬ふんは比較的値段が高めです。

肥料にならない工場汚泥等の堆肥もある?

農水省の汚泥肥料に関する基礎知識(一般向け)によると、汚泥肥料をどうして畑に入れるのかというと、日本全国の畑を人糞や産業廃棄物の最終処分場にするためではなく、汚泥はヒ素やカドミウム、水銀、ニッケル、クロム、鉛などの有害成分を濃縮していますが、窒素、リン酸などの栄養分も豊富に含んでおり、肥料になるためとされています。もし工場汚泥を畑に入れたいが、豊富な栄養分は欲しくないという方は、工場汚泥が使われているバーク堆肥の利用がおすすめです。私の近所で販売されているバーク堆肥は、重量比で工場汚泥が一番多く使われていても肥料成分はどれも1%未満で栄養分は豊富ではなかったです。

また、堆肥の種類は鶏ふん、牛ふんなどの家畜ふん堆肥やバーク堆肥、腐葉土等に限らず、商品によっては販売元が、いわゆる古い土の復活材や再生材を堆肥として紹介していることもあるようです。復活材や再生材は原料が不明のものが多いため購入をためらいますが、商品によっては原料が公開されており、牛ふんなどの堆肥が使われているものもあるようです。しかし、肥料成分の表示はないようです(あるものもあるようです)。

表示は当てにならないこともある?

商品によっては「生産業者保証票」や「肥料取締法に基づく表示」等の表示がないこともあります。たとえば私の近所のホームセンターで販売されている腐葉土の1つには何の表示もありません。しかし、この腐葉土はパッケージ裏面に参考成分値としてpH、EC、腐植含有量を掲載しており、特にpHを下げたい方にはこのpHの情報はすごく参考になると思います(もしpHが低いものを混ぜれば全体のpHも下がるというならそう)。他の「肥料取締法に基づく表示」がある腐葉土にはpHは掲載されていませんでした。


ちなみに充填時容量5ℓのこの商品のパッケージ裏面の説明文によると「●花壇、菜園には1m2あたり5ℓ(4袋)を混ぜ込みます。」とされており、一見、1m2あたりこの腐葉土を5ℓ入れれば良いように思えますが(そして5ℓは4袋ではなく1袋の間違いではないかと思うかもしれませんが)、実は充填時容量20ℓの同じ商品の画像をネットで探してみると「●花壇、菜園には1m2あたり20ℓ(1袋)を混ぜ込みます。」と書かれており、「●花壇、菜園には1m2あたり5ℓ(4袋)を混ぜ込みます。」というのは、「1m2あたり5ℓの腐葉土を花壇、菜園に入れろ」という意味ではなく、「5ℓの商品を4袋入れろ」という指示のようです。


話を元に戻しますが、もし腐葉土や肥料等に「生産業者保証票」や「肥料取締法に基づく表示」等の表示があったとしても、たとえば私の近所で販売されている発酵油かす(指定配合肥料)には原料の表示がなく「材料の種類(使用されている材料)」として「摂取防止材」としか書かれていなかったり、有機100%の指定配合肥料の生産業者保証票には「原料の表示」という項目がなかったりします。ただし、このような肥料でも「動物由来たん白質が入っているため云々」という記載はあったため、原料に動物由来のものが使われていることは分かります。「有機入り」と書かれている化成肥料もありますが、パッケージ上の文字を読んでも何の有機をどういう割合で入れて有機入りと言っているかがまったく分からず怖いと思う商品もあります。

以上のように、腐葉土や肥料を購入する際に「生産業者保証票」や「肥料取締法に基づく表示」等の表示を確認しても、その腐葉土や肥料のことが必ずしもよく分かるとは限りません。腐葉土だけではなく「ピートモス」や「もみ殻くん炭」等にも、表示がある商品とない商品があり、どんな商品でも必ずこのような表示があるとは限りませんし、表示があっても表示内で原料の表示をしていない商品もあります。表示は当てにならないこともあると思います。

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